モンスターエナジーNASCARカップは5月11日、カンザス州カンザスシティのカンザス・スピードウェイで第12戦が行われ、ブラッド・ケゼロウスキー(フォード・マスタング)が優勝を飾った。
戦いの舞台となるカンザス・スピードウェイは、年2回シリーズ戦が行われるコース。開設は2001年と比較的新しいトラックだ。
決勝レースは現地11日の18時52分にスタート。1.5マイル(約2.4km)のオーバルを80周、80周、107周の3ステージ合計267周で争われた。
ステージ1は、予選トップだったケビン・ハービック(フォード・マスタング)が逃げ切り2019年シーズン初のステージ優勝を手にする。
続くステージ2は大きなアクシデントが起こらず、グリーンフラッグのまま進行。各車ともグリーンフラッグ下でピット作業をこなすなか、残り14周のタイミングでハービックを交わしたチェイス・エリオット(シボレー・カマロZL1)がトップチェッカーを受けた。
最終ステージ3も前半はイエローコーションが出ない展開となるが、217周目にライアン・ニューマン(フォード・マスタング)のタイヤが脱落し、ランオフエリアに転がるアクシデントがありイエローコーションが出される。
このタイミングで各車がピットへ向かうと、カイル・ブッシュ(トヨタ・カムリ)がトップでコースに復帰していったが、他チームのピットエリアを規定以上通過していたとしてペナルティ。13番手までポジションを落としてしまう。
レース残り30周の時点では、エリオット、アレックス・ボウマン(シボレー・カマロZL1)、リッキー・ステンハウスJr.(フォード・マスタング)がトップ3を争う状況。
そして、その後方から猛追をみせてきたのが、241周目のピットでフレッシュタイヤを履いたケゼロウスキー。レース残り10周のタイミングでラップリーダーだったボウマンの背後に迫ると、レース残り6周のタイミングで周回遅れの車両も使ってオーバーテイクに成功した。
その翌周、マット・ディベネデット(トヨタ・カムリ)がエンジンブローするアクシデントがあり、イエローコーションとなり、延長戦“オーバータイム”へ。
このリスタートでもポジションを守ったケゼロウスキーが逃げ切り、トップチェッカー。シーズン3勝目を挙げた。
「この勝利をマイク・ミットラー(トラックシリーズ参戦時代の2006年にケゼロウスキーが所属していたチームのオーナー。5月10日に67歳で亡くなった)に捧げたい」とケゼロウスキー。
「彼は多くのドライバーをサポートしてきたし、僕もそのひとりだ。NASCARコミュニティにとっては大きな損失だよ」
「今日は激しい戦いだった。最後のリスタートでもアレックス・ボウマンは強力だったし、彼が勝つ可能性は十分にあったよ。ほんの少し、僕が履いているタイヤのほうがフレッシュだったことが助けになったよ」
ケゼロウスキー、ボウマンに続く3位は、トヨタ勢最上位となるエリック・ジョーンズ(トヨタ・カムリ)が獲得した。
併催されたNASCARガンダー・アウトドア・トラックシリーズは10日(金)に決勝レースが行われ、
ロス・チャステイン(シボレー・シルバラード)が優勝。ペン・ローズ(フォードF-150)が2位、トッド・ギリランド(トヨタ・タンドラ)が3位だった。
2019年のモンスターエナジーNASCARカップは5月18日に特別戦が行われ、第13戦は5月26日、ペンシルバニア州ロングポンドのポコノ・レースウェイで行われる。