2019年F1インシーズンテスト2回目が15日、スペインのバルセロナ・カタロニア・サーキットで行われ、2日間にわたる日程が終了した。最終日には全10チーム13人のドライバーが走行を行った。
テストには各チーム1台ずつの参加となるが、ピレリの2020年向け開発テストに参加するチームはタイヤテスト用に1台を追加して走行。今回の担当はフェラーリとレーシングポイントで、それぞれシャルル・ルクレールとランス・ストロールがタイヤテストのみに集中したプログラムにあたった。
■メルセデス
メルセデスはロシア出身FIA-F2ドライバーのニキータ・マゼピンを起用。マゼピンはフォース・インディアでのテスト経験があり、メルセデスとはプライベートテストプログラムやシミュレーター作業にあたってきたが、2019年型W10での走行はこの日が初めてだった。
午前セッションでターン12でスピンしてグラベルに飛び出し、赤旗を出すというミスはあったものの、それ以外は順調にデータを収集。128周を走行するなかで最もソフトなC5タイヤで1分15秒775をマーク、この日のトップに立った。このタイムは前日レースドライバーのバルテリ・ボッタスが同じC5で記録したタイムから0.25秒差だった。
■トロロッソ・ホンダ
トロロッソ・ホンダはレースドライバーのアレクサンダー・アルボンを走らせ、空力テスト、セットアップなどに取り組んだ。アルボンはセッション終盤、C4タイヤでのパフォーマンスランを行うなかで、この日の自己ベストタイム1分17秒079を記録し、2番手となったが、その直後にターン10でストップ。これによって赤旗となり、残り時間が少なかったことから、そのままこの日のセッションが終了した。アルボンは109周を走行、トロロッソ・ホンダは2日間で231周を走り切り、たくさんのデータを集めた。
■フェラーリ
フェラーリはフェラーリ・ドライバー・アカデミーのメンバー、アントニオ・フォコにチームのための作業を託し、ピレリタイヤのテストはシャルル・ルクレールが担当した。フェラーリSF90での初のテストの機会を得たフォコは、シミュレーターとの比較をしながら作業を進め、120周を走るなかでC4タイヤでマークした1分17秒284で3番手となった。ルクレールは2020年以降を見据えたタイヤ開発テストに取り組み、127周を走行、1分17秒349で4番手に続いた。
■アルファロメオ
前日カラム・アイロットがクラッシュし、C38に大きなダメージを与えたが、アルファロメオはマシンを修復、無事キミ・ライコネンが走行することができた。ライコネンは110周を走るなかでC5タイヤによって出した1分17秒393で5番手となった。前日のクラッシュによりテストプログラムを変更したものの、いい作業ができ、スペインGPの週末より向上が見られたとライコネンはポジティブな発言をしている。
■ルノー
ルノーはテストドライバーのジャック・エイトケンを起用。小さな問題がいくつか発生したというエイトケンは、周回数が75周にとどまったものの、重要なテスト作業を完了することができたと語っている。ベストタイムはC4タイヤでの1分17秒621で全体の6番手だった。
■ハース
ハースはレースドライバーのケビン・マグヌッセンにVF-19のテストを託した。ラップタイムは追求せずにテスト項目をこなし、モナコGPやカナダGP、またそれ以降のレースに活かせるようなデータを集めることができたとのことだ。マグヌッセンは、106周を走行、C3タイヤによる1分18秒101で7番手となった。
■レーシングポイント
レーシングポイントはシミュレーター作業を担当しているニック・イェロリーを2日間にわたって走らせた。イェロリーは空力の長期的な開発プランに沿って作業にあたり、シミュレーターとの相関性の確認も行っている。83周を走ったイェロリーはC5タイヤでの1分18秒212で8番手だった。
今回レーシングポイントはピレリタイヤのテストも担当しており、レースドライバーのストロールがセカンドカーでタイヤ開発作業に専念して走った。ストロールは119周を走行、12番手にあたる1分20秒745のタイムを出している。
■ウイリアムズ
前日に続き、テストおよびリザーブドライバーのニコラス・ラティフィがウイリアムズで走行。ラティフィは午前セッション終盤、ピット出口でストップし、赤旗の原因となった。チームはトラブルへの対策のために走行時間をロスしたが、ラティフィは午後のセッションでコースに復帰、一日のなかで合計88周を走り、C5タイヤで1分18秒573をマークし、9番手となった。
■レッドブル・ホンダ
レッドブルはジュニアドライバーのダニエル・ティクトゥムに2日目の作業を託した。ティクトゥムはマシントラブルのため、午前セッション残り約1時間のところでターン10でストップ。マシン撤去のために赤旗が掲示された。駆動系のトラブルだったということで、修復に何時間かを要したが、午後にティクトゥムは走行を再開。合計周回数は79周、自己ベストタイムはC3タイヤによる1分19秒458で、13人中10番手でテストを終えた。
■マクラーレン
マクラーレンは前日同様に午前と午後に分けてふたりのドライバーを走らせた。午前を担当したのはオリバー・ターベイ、午後はセルジオ・セッテ・カマラがステアリングを引き継いだ。ターベイは52周を走りC3タイヤで1分20秒712をマークし11番手。一方、テストおよび開発ドライバーを務めるセッテ・カマラは、マクラーレンMCL34での初走行の機会を得たものの、トラブルによりターン10でストップ、わずか19周しか走行できなかった。ベストタイムはC2タイヤによる1分21秒565で、13番手だった。