2018/19年シーズンよりWEC世界耐久選手権のLMP2クラスに参戦しているレーシングチーム・ネダーランドは5月14日、翌2019/20年シーズンの体制発表会を行った。今シーズンと同様に、3名のオランダ人ドライバーを揃える“チーム・オランダ”は参戦2シーズン目となる来季に向けて、シャシーメーカーをダラーラからオレカにスイッチするとしている。
レーシングチーム・ネダーランドは、オランダで展開するスーパーマーケットチェーン“ユンボ(JUMBO)”の経営者であるフリッツ・バン・イアードが率いるスポーツカーチームだ。
2018年に、前年まで参戦していたELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズからWECへステップアップしたチームは14日、2019/20年シーズンも同シリーズへの参戦を継続するとアナウンス。
あわせて、オーナー兼ドライバーのバン・イアードと元F1ドライバーのギド・バン・デル・ガルデ、今季途中からヤン・ラマースの後任としてチームに加わったニック・デ・フリースというオールオランダ人ラインアップを継続し、引き続きLMP2クラスを戦っていくとした。
その一方で、チームは過去2シーズン使用してきた『ダラーラP217』から、同クラスで圧倒的なシェアを誇る『オレカ07』へとシャシーを入れ替える決断を下した。この決定に伴いパートナーチームも変更されることとなり、従来のデイブテック・エンジニアリングからTDSレーシングへのスイッチが発表されている。
フランスに本拠を置くTDSレーシングは、ロイック・デュバルらを擁し自チームでWECのLMP2クラスにフル参戦している他、2018年ELMS王者Gドライブ・レーシングの運営も行う強豪だ。
また、レーシングチーム・ネダーランドはWECでの2シーズン目を迎えるにあたって、ミナルディF1チームの創設者であるジャンカルロ・ミナルディを招聘。この一環として、ダラーラでの最後のレースとなる2018/19年WEC第8戦ル・マンでは29号車ダラーラが、1992年にミナルディF1が走らせた『M192』に着想を得た新デザインをまとうことになった。
「我々は2017年のELMSデビュー以来、ダラーラとともに歩みを進め、現在では世界選手権を戦うチームとなった」と語るのは、チームオーナーのバン・イアード。
「デイビー・レメンドが率いるデイブテック・エンジニアリングは、(ダラーラ製の)クルマを改善させるためにこの2年間、昼夜を問わず働いてきた。私は彼らにとても感謝している。なぜなら、彼らはダラーラP217のパフォーマンスを引き上げ、その結果、我々は14のレースで14回フィニッシュを果たしのだからね」
「しかし、近年のLMP2クラスではオレカ製シャシーが主流となっていることは議論の余地がいない事実だ。そのため、我々はWECの2019/20年シーズンにオレカのマシンとともに戻ってくることにした」
「シャシーメーカーのスイッチは、オレカでの経験を積んだ新しい技術チームを選ばなければならないことを意味していた。今回、我々と提携を結んだTDSは、オレカをもっとも知るチームのひとつであると考えているんだ」
マシンを新たに、来シーズンのさらなる飛躍を目指すレーシングチーム・ネダーランドだが、その視線は6月12~19日に開催される今季最終戦ル・マンにあるという。
「我々はいま、来たるべき2019年のル・マン24時間を完全に見据えている。私たちはダラーラとデイブテックとともに最大限のパフォーマンスを発揮し、このパートナーシップを美しいかたちで終了させることを願っているんだ」