スペインのバルセロナ・カタロニア・サーキットで2019年F1インシーズンテスト2回目がスタートした。テストは5月14日、15日の2日間にわたって開催され、初日は晴天の下、全10チーム13人のドライバーが参加した。
テストでは各チームがマシンを1台ずつ使用するが、ピレリの2020年用開発テストを担当するチームは2台を走らせる。今回はフェラーリのセバスチャン・ベッテルとレーシングポイントのセルジオ・ペレスがピレリのプログラムに集中して走った。マクラーレンは午前にカルロス・サインツJr、午後にランド・ノリスと、ふたりのレースドライバーを起用している。
■メルセデス
晴天の下、トップタイムをマークしたのはメルセデスのバルテリ・ボッタスだった。メルセデスはW10への理解を深めるための作業を集中的に行い、今後数戦のうちに持ち込む予定のシャシーおよびパワーユニット(PU/エンジン)のパーツを試したという。
ボッタスは午前中、珍しいアクシデントに遭遇した。空力データ収集用のエアロレイクを装着してピットボックスを離れたところ、センサーにふたつのパイロンが引っ掛かり、ひとつはピットレーンで落ちたものの、もうひとつは1周走る間、引っ掛かったままだった。
作業自体は順調に進み、131周を走行、C5タイヤで1分15秒511のタイムを出した。これはボッタス自身がスペインGP予選でC3タイヤでマークしたポールポジションタイムから約0.1秒落ちのタイムだった。
■フェラーリ
フェラーリはシャルル・ルクレールを起用、ベッテルはSF90でピレリタイヤの開発テストを担当した。ルクレールはアップデートのテストや比較プログラムに取り組み、ボッタスと同じ131周を走行、C2タイヤでの1分16秒933で2番手となった。タイヤテストを行ったベッテルは、133周とこの日最多周回を走り、1分18秒425のタイムを出している。
■トロロッソ・ホンダ
トロロッソ・ホンダはテスト初日にダニール・クビアトを起用。クビアトはスペインGPで投入した新パッケージに関する空力テストに取り組み、さまざまなセットアップを試し、ロングランとショートランを行いながら、データを収集した。非常に順調な一日だったということで、クビアトは121周を走り、C4タイヤで記録した1分17秒679で3番手につけた。
テスト2日目はアレクサンダー・アルボンが作業を担当する予定となっている。
■ルノー
期待どおりのパフォーマンス向上を図れずにいるルノーは、今回のテストを改善のためのチャンスととられている。ニコ・ヒュルケンベルグは68周と比較的少ない周回数にとどまったものの、大量にデータを集めることができすべてうまくいったとコメントしている。自己ベストタイムはC3タイヤでマークした1分18秒051だった。
■レッドブル・ホンダ
レッドブル・ホンダはテスト初日にピエール・ガスリーを起用。チームによると「今後のレースに向けて全般的なパフォーマンス向上につながるであろう、さまざまなセットアップコンセプトをチェックした」という。セッション終了約1時間前に、ガスリーは異常を感じてコース上でマシンをストップ。そのまま走行を切り上げることになった。ガスリーによると、トランスミッショントラブルが発生したものと考えられているが、原因は調査中だということだ。
■マクラーレン
マクラーレンはレースドライバーのサインツとノリスを走らせた。午前担当のサインツは64周を走り、C2タイヤでの1分18秒263で6番手、午後に登場したノリスは44周のなかで、C3タイヤで1分18秒567をマークし、10番手となった。チームは、特に大きな問題に見舞われることなく、有意義なテストができたと述べている。
■ハース
ハースはテストドライバーのピエトロ・フィッティパルディを起用。VF-19で走る3度目のF1テストとなったフィッティパルディは、103周を走り、セッション終盤にプロトタイプタイヤで1分18秒326のタイムを出し、7番手となった。
■レーシングポイント
レーシングポイントは、シミュレーター作業を担当しているニック・イェロリーにテスト初日の作業を任せ、タイヤテスト用のセカンドカーではレースドライバーのセルジオ・ペレスが走った。
イェロリーはフォース・インディア時代の2014年からチームと契約しており、2015年にはVJM08をテストした経験を持つが、2019年型マシンRP19に乗るのはこの日が初めてだった。イェロリーは111周を走り、C5タイヤでの1分18秒361で8番手、ペレスは118周のなかで、2020年プロトタイプタイヤで1分19秒719を記録、11番手だった。
■アルファロメオ
フェラーリ・ドライバー・アカデミーのメンバーであり、ザウバー・ジュニアチーム・バイ・チャロウズからFIA-F2に参戦しているカラム・アイロットが、アルファロメオC38を初めてドライブした。アイロットはターン3でコースオフし、激しくクラッシュ。ドライバーにけがはなかったが、マシンが大きなダメージを負い、この日のテストが切り上げられることになった。アイロットは41周を走行、C2タイヤで1分19秒819をマーク、12番手となった。
■ウイリアムズ
ウイリアムズはテストおよびリザーブドライバーのニコラス・ラティフィを起用。現在FIA-F2でポイントリーダーのラティフィは、133周とベッテルと並ぶこの日の最多周回を走り、C2タイヤで13番手にあたる1分20秒670を記録した。