NTTインディカー・シリーズの第6戦となる第103回インディアナポリス500が幕を開けた。
先週末のインディカーGPから二日間のインターバルを置いて、コースはオーバルのレイアウトに戻され準備万端。プラクティス初日の火曜日は晴天に恵まれた。
今年はエントリー台数は36台。世界3大レースを制すトリプルクラウンのかかったフェルナンド・アロンソ(マクラレーン・レーシング)の再挑戦もあり話題も豊富だ。
101回目のインディ500チャンピオンとしてスピードウェイに戻って来た琢磨は、「インディカーGPは結果が良くなかったですから、さっさと切り替えてます」と笑いながらガソリンアレイに現れた。
琢磨の今年のインディ500用のマシンはいつものブルーとホワイトのカラーではなく、イエローとレッド、ホワイトのカラーリングとなり、ノーズとコクピット脇にはカップヌードルのロゴも見える。
このカラーリングはMI-JACKのコーポレートカラーをオマージュしたもの。琢磨のレーシングスーツも赤が基調となった。琢磨が赤のレーシングスーツを着るのは珍しく、本人も「スーパーアグリ以来かな?」と笑う。
4月に行われたスーパースピードウエイの合同テストでは、悪天候だったとはいえトップタイムで終えていた。気温が変わり条件が違うものの期待が持てる。
午前11時からの走行が始まり、カーナンバー30のコクピットに収まった琢磨は、1周のチェック走行を終えた後に、本格的な走行に入った。すぐに平均220mphをオーバーすると、計測6周目にこの日の最速となる227.249mphをマークし、この時点で3番手のタイムをマークする。
それ以降もインアウトを繰り返して、まず2時間の走行を終えた。
「走り出しはまずいい感じでした。テストで良い感触だったというのもありましたが、今日は少し気温が上がって来ているので、リヤのタイヤのグリップが早めになくなってきたように感じました。その調整をしながら走行してました。午後は少しパック(集団)の中に入ってグループランをして、クルマの動きを確認したいですね」
その後2時間のインターバルは、ルーキーとリフレッシャー(レギュラードライバーではなくスポット出場するドライバー)の走行時間に充てられており、15時から全ドライバーの走行再開となった。
琢磨はチェック走行のランをした後に、早速グループランの中に入っていった。チームメイトのグラハム・レイホール、ジョーダン・キングらはもちろん、他のチームのドライバーともレースを想定した走りを繰り返した。
チップ・ガナッシのスコット・ディクソンやアンドレッティ・オートスポートのアレクサンダー・ロッシらとは、何度もドラフティングを使いながら前後にポジションを入れ替えながら、マシンの挙動を確認していた。
今日はテストを通じて大きなクラッシュやトラブルもなく、コルトン・ハータがスピンでマシンを止めた程度で、プラクティスのセッション自体も順調に終了した。
琢磨も初日は90周を走行し、総合でのタイムは14番手で終了した。単独走行のタイム(ノートゥ)では10番手。3セットのタイヤを使い切った。
「午後はちょっとスピードが足りなかったです。他のクルマと走りましたが、まだドラッグが大きいような感じでスリップに入っても、前のクルマに追いつくのにちょっと時間がかかるような感じ。ダウンフォースとクルマの動きのバランスを、これからどうしていくかですね」
「一緒に走った感じではディクソンの方が速かったかな。グラハムも順調にテストプログラムを消化してますし、ジョーダンはまだスピードを上げてる最中ですけど、明日はもう少しマシンの動きが良くなる方向を探していきたいです」
天気予報では予選日まで概ね天候は良好なようで各チーム、ドライバー共に、明日以降のプラクティスに熱が入りそうだ。