フェラーリF1のチーム代表を務めるマッティア・ビノットは、第5戦スペインGPでメルセデスに今シーズンの開幕から5戦連続となる敗北を喫したが、それでも「決して諦めない」と語った。
セバスチャン・ベッテルとシャルル・ルクレールは、カタロニア・サーキットで行われた第5戦スペインGPの予選において、最大のライバルであるメルセデス勢の後塵を拝した。さらに日曜日の決勝でも何ら良い印象を残せないまま、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンにもかわされて、それぞれ4位と5位に終わった。
現時点でフェラーリは、コンストラクターズランキングでメルセデスに96ポイント差と大きく水をあけられており、今後シーズン中に状況を好転させるためには、解決すべき課題も多い。
しかし惨敗が続くなかでも、ビノットの挑戦的な姿勢は崩れていない。
「シーズンはまだ長く、我々は決して諦めない。それが我々の取り組み姿勢だ」とビノットは日曜日の夜に語った。
「今回のレースから学ぶべきことは多い。今週のレース内容やパフォーマンスについては失望しているし、我々としてはもっと良い成果をあげることを望んでいた」
「我々はここバルセロナに、空力とエンジンのアップグレードを持ち込んだ。それによって何とかして戦いに加わるつもりだったが、実際にはそうならなかった」
「アップグレードはパワーの点でうまく機能した。ストレートでのスピードも申し分なかった。だが明らかに、マシンの弱点もいくつかレースウイーク中に露呈した」
「それらを評価し、将来的な改善に繋げられるかどうかは我々次第だ。それをしなければ将来強くなれない。それが今週の結論だ」
■セクター3で遅れをとったフェラーリ「アンダーステアがひどかった」
フェラーリがバルセロナで行われたプレシーズンテストで見せた強力な走りを考えれば、スペインGPの難局に挑み、最終的にメルセデスに一撃を加える可能性も想定された。
だがバルセロナにおいて、フェラーリは初めからメルセデスの敵ではないことは明らかだった。SF90の弱さは、中速と低速のコーナーが続くセクター3で特に顕著に表れた。だがビノットは、フェラーリの弱点はすべてのコーナーで目立っており、その原因はこれから究明することになると話した。
「現時点では、我々は各コーナーで大きくロスしており、それは最終セクターに限らない。それぞれのコーナーで我々は遅く、アンダーステアがかなりひどかった」
「ダウンフォースだけが原因ではない。分析し、理解しなければならない点がデータにはある。したがって今日の時点で結論を急ぐと、間違った内容になってしまうと考えている」
「この問題を解決しなければいけないが、それには適正な分析が必要であり、バランスの問題、ダウンフォースの問題、ひいてはタイヤのコンセプトの問題まで理解していく必要があると考えている」
「今は答えがない。原因について、まだ話せる段階にはない」