2019 スペイングランプリ 決勝
2019年5月12日、バルセロナ
ルイス・ハミルトンが優勝し、メルセデスによるワンツーフィニッシュ記録は、開幕以来5戦連続へと更新されました。レースは、1ストップと2ストップが入り混じる様相を呈していましたが、後半のセーフティーカー導入が影響を及ぼし、上位勢は「フリー」ピットストップの機会を得ました。
■キーポイント
・1名を除くドライバーが2ストッパーとなりましたが、その大半はセーフティーカー導入後に2回目のピットストップを行いました。また、トップ5が4種類の異なる戦略を実行しました。
・最初に2ストッパーを明確に意思表示したドライバーは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンでした。フェルスタッペンの直前にピットストップを行なったフェラーリのセバスチャン・ベッテルは、スタート直後の第1コーナーでの争いでフラットスポットを生成してしまったことから、戦略への妥協を余儀なくされていました。メルセデスのバルテリ・ボッタスは、セーフティーカー導入中に2回目のピットストップを行いました。これら3名のドライバーは、それぞれ異なる戦略を実行しました。
・ハミルトンは、トップの座を譲ることなく1回目のピットストップを行なっていましたが、セーフティーカー導入によって、トップを維持したまま2回目のピットストップも可能となりました。数名のドライバーが、ハミルトンに続いて、長いセーフティーカー導入周回中にピットストップを行いました。
・ルノーのニコ・ヒュルケンベルグは1ストップ戦略を採りました。ピットレーンからミディアムタイヤでスタートしたヒュルケンベルグは、ソフトタイヤへ交換後13位でフィニッシュしました。
・変動が大きかった前日までの気候を受け、決勝時は、路面温度が40℃を超える温暖なコンディションとなりました。
■各コンパウンドのパフォーマンス
・ハード C1: フェラーリのシャルル・ルクレール、ルノーのダニエル・リカルド、アルファロメオのキミ・ライコネンとアントニオ・ジョヴィナッツィの4名のドライバーのみが、ハードを使用しました。ハードは、1ストップ戦略にとって鍵となる要素でしたが、セーフティーカーによって1ストップ戦略は機能しなくなりました。
・ミディアム C2: ミディアムは、セーフティーカーの導入がなければファイナルスティントになった可能性もある第2スティントでの主流となりました。ミディアムでの長いスティントも見られましたが、予測された通りの摩耗状況を示した例も見られました。
・ソフト C3: ソフトは、レースを通して積極的に使用されました。中でも、セーフティーカー導入後のファイナルスティントにおいて、ハミルトンがソフトでファステストラップを記録しました。
ピレリ カーレーシング責任者 マリオ・イゾラのコメント
「レース終盤のセーフティーカー導入が、タイヤ戦略に関して重要なポイントとなりました。結果的に、大半のドライバーが2ストッパーとなり、ギャップがリセットされてフィニッシュまでのスプリントレースとなりました」
「スタート直後から、3種類のコンパウンドが機能する多様な1ストップと2ストップ戦略が期待されました。タイヤへの負荷が大きいこのサーキットで、ある程度の摩耗がソフトとミディアムに見られたことから、1ストップには少し厳しかったかもしれません」
「我々は、火曜日と水曜日に行われるインシーズンテストのためにバスセロナに留まり、フェラーリとレーシングポイントが供給するマシンを使用して、2020年向けのプロトタイプタイヤをテストする予定です」
■コンパウンド毎のラップタイム上位:
・ハードタイヤ
シャルル・ルクレール:1'21.433
ダニエル・リカルド:1'22.929
キミ・ライコネン:1'23239
・ミディアムタイヤ
マックス・フェルスタッペン:1'19.769
セバスチャン・ベッテル:1'19.820
シャルル・ルクレール:1'20.002
・ソフトタイヤ
ルイス・ハミルトン:1'18.492
バルテリ・ボッタス:1'18.737
ピエール:ガスリー:1'20.536
■最長スティント
ハード C1:アントニオ・ジョビナッツィ 35Laps
ミディアム C2:ニコ・ヒュルケンベルグ 35Laps
ソフト C3:ニコ・ヒュルケンベルグ 31Laps