イタリアのイモラ・サーキットで行われたスーパーバイク世界選手権(SBK)第5戦イモラのレース1で、ジョナサン・レイ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)が2019年シーズン初優勝を飾った。レイは翌日に行われたスーパーポール・レースでも勝利し、2連勝。ディフェンディングチャンピオンがついに、反撃ののろしを上げた。
レイは第4戦オランダまでの11レース、アルバロ・バウティスタ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)の後塵を拝し続けてきた。今季、MotoGPからSBKにスイッチしたバウティスタは、こちらも今季から投入されたドゥカティのパニガーレV4 Rとともに、開幕レースから連勝。ドゥカティのエンジンの上限回転数が250rpm、引き下げられた第4戦オランダでも、行われた2レースでバウティスタが優勝を飾っていた。
迎えた第5戦で、レイは初日のフリー走行1回目、2回目とトップタイムをマークする。この日、レイは特にタイヤにおいて、レースを想定したシミュレーションを行っていたという。
フリー走行3回目もトップで終えたレイ。しかし、スーパーポールではチャズ・デイビス(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)にポールポジションを譲り、2番手につける。
レース1でレイは、オープニングラップから先頭に立った。好スタートを切ってデイビスに並び、4コーナーでオーバーテイク。そのまま独走で優勝を飾るという、レイの常勝スタイルで勝利を挙げた。
「チームを誇りに思うよ。ここまで今シーズン、勝てていなかったけれど、それでも誰もあきらめなかった。僕たちは改善を続けて、正しい方向に進んでいると感じていた。(レースでは)オープニングラップの4コーナーでデイビスを交わした。完ぺきな戦略だったよ」
翌日に行われたスーパーポール・レースでも、レイはオープニングラップの最終シケインで、アウト側からトップのデイビスをオーバーテイク。ところどころにウエットパッチが残る路面状況のなか、レイはペースを守って独走態勢を築き、そのまま優勝を果たした。19周のレースでも、10周の超スプリントレースでも、変わらぬ強さを見せたのだ。
レイは表彰台の頂点に返り咲くことができたイモララウンドを振り返り、「本当にポジティブな週末だったよ。ここでバイクの感触を得て、最高の状態を引き出すことができたんだ」と語った。
「2レースで優勝することができて、本当にうれしい。チームのみんなに感謝したいよ。いつも信じて改善しつづけてくれたから。僕たちはこの週末が勝てるチャンスなのだと信じていた」
レース2は激しい雨によりキャンセルとなったために、イモラでレイが3勝目を挙げることはできなかったが、レイは「また優勝のチャンスがあると確信しているし、わかっている」と、今後のレースにも自信を見せる。
このイモラから、ディフェンディングチャンピオンの反撃が始まることになりそうだ。