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WRCチリ:トヨタのタナクが2019年シーズン2勝目。総合2位の新旧チャンピオン争いはオジエに軍配

2019年05月13日 02:21  AUTOSPORT web

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オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)
WRC世界ラリー選手権第6戦チリは5月12日、競技最終日のSS13~16が行われ、トヨタのオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が逃げ切り、2月の第2戦スウェーデン以来となる2019年シーズン2勝目を挙げた。

 ここ2戦、速さは発揮しつつもアクシデントなどで表彰台を逃してきたタナクは、2019年がWRC初開催となるグラベル(未舗装路)イベントのラリー・チリでも安定した速さを発揮する。

 タナクは競技初日の10日に行われたSS2で総合首位に浮上すると、競技2日目の最終ステージSS12を終えた時点で30.3秒までリードを広げてみせた。

 大量リードで迎えた競技最終日はペースをコントロール。最終SS16には、21.8秒リードで臨んだ。

 このSS16はステージ上位5名にボーナスポイントが与えられるパワーステージということもあり、タナクはペースアップ。12.52kmのステージを最速タイムとなる7分57秒3で駆け抜けて、自身通算8勝目を挙げ、WRCチリ戦初代ウイナーに輝いた。

「いいイベントだったね。コンディションが状況を大きく左右する週末で、本当に集中力が求められた」とタナク。

「この勝利はチームのためにも重要なものだった。過去2戦は不運で勝利を失っていたからね」

 優勝したタナクが十分なマージンを築いていた一方で、セバスチャン・オジエ(シトロエンC3 WRC)とセバスチャン・ローブ(ヒュンダイi20クーペWRC)の新旧チャンピオンによる総合2位争いは、SS13を終えた時点でわずか1.1秒差の接戦となる。

 続くSS14では現チャンピオンのオジエが意地をみせてローブより4.2秒速いタイムを記録。ギャップを5.3秒まで広げてみせる。

 対するローブもSS15でオジエを0.7秒上回るタイムを記録して、ギャップを4.6秒に押し戻し、互いに譲らないバトルが繰り広げられた。

 迎えた最終ステージのSS16、先にステージを走行したローブは8分1秒1を記録。続くオジエの結果を待つことに。そのオジエは7分58秒6でステージを走りきり、総合結果でローブを7.1秒差で突き放し、総合2位の座を守ってみせた。

 ポイントランキングでは総合2位+パワーステージ2位に入ったオジエが122ポイントでランキングトップに浮上。優勝+パワーステージ1位のタナクが112ポイントの2位につけた。3位はラリー・チリの競技2日目にクラッシュがあったティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)で110ポイントだ。

 マニュファクチャラーズランキングでは178ポイントでヒュンダイがトップ。149ポイントでトヨタ、143ポイントでシトロエン、100ポイントでMスポーツ・フォードが続く格好となった。

 アルゼンチン、チリと続いたWRC南米連戦はこれで終了。次戦の第7戦はふたたびヨーロッパに舞台を移し、5月30~6月2日にポルトガルで争われる。