トップへ

F1第5戦スペインGP決勝:メルセデスが5戦連続1-2フィニッシュの快挙。フェルスタッペンはフェラーリを下し3位表彰台

2019年05月13日 00:11  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

F1第5戦スペインGP 優勝はルイス・ハミルトン、2位バルテリ・ボッタス、3位マックス・フェルスタッペン
2019年F1第5戦スペインGP決勝は、メルセデスのルイス・ハミルトンが優勝を飾った。レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが3位表彰台。チームメイトのピエール・ガスリーが6位入賞となっている。


 5月12日現地時間午後3時10分、スペインGPの決勝が行なわれた。晴天に恵まれ、気温19度、路面温度41度というコンディション。

 予選中のクラッシュの影響でフロントウイングのメインプレーンを交換することになりピットレーンスタートが義務づけられたルノーのニコ・ヒュルケンベルグは、これに合わせてパワーユニットのESS以外を新品コンポーネントに交換。さらに本来パルクフェルメ管理下では許されないフロントブレーキマップの変更も行なっている。

 ウイリアムズのジョージ・ラッセルは金曜日、アルファロメオのアントニオ・ジョビナッツィは予選後に6戦連続使用義務を果たす前にギヤボックス交換を余儀なくされ、5グリッド降格ペナルティを受けてそれぞれ19番グリッドと18番グリッドからのスタートとなっている。

 さらにルノーのダニエル・リカルドは前戦での接触による3グリッド降格ペナルティで13番グリッドとなった。

 Q3進出組は全車がソフトタイヤ、Q1・Q2脱落者はヒュルケンベルグ、キミ・ライコネン(アルファロメオ)、ランス・ストロール(レーシングポイント)、ウイリアムズ勢だけがミディアムタイヤで、それ以外のチームはソフトでスタートする。

 スタートでポールポジションのバルテリ・ボッタス(メルセデス)は僅かに加速が鈍く、イン側からハミルトン、アウト側からセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が並びかけてターン1へアプローチ。

 ベッテルは右フロントをロックさせてしまい、ややワイドになるがハミルトンはイン側のラインをキープしてボッタスの前に出て首位に浮上する。ラインに戻ったベッテルの影響で後方のシャルル・ルクレール(フェラーリ)は行き場をなくし、フェルスタッペンがターン3のアウトからパス。フェルスタッペンはさらにベッテルまでパスして3番手に浮上した。

 後方ではガスリーがターン3でワイドになりロマン・グロージャン(ハース)に先行されるものの、ターン5でインを突いて再び6番手を取り返した。その後ろはケビン・マグヌッセン(ハース)、続いてトロロッソ・ホンダのダニール・クビアト、アレクサンダー・アルボンというトップ10。ライコネンはターン4でコースオフし最下位に落ちてしまう。

 数周後には各車がタイヤをいたわるために2秒ほどのギャップを開けて走行するようになるが、フラットスポットができたベッテルはペースが上がらずフェラーリ勢はルクレールがベッテルの背後について走行する。

 フェラーリはベッテルにプッシュの指示を出す。しかし、ベッテルはフラットスポットによるバイブレーションが酷くペースが上げられないためルクレールを先行させると伝え、12周目のターン1でチームオーダーによりルクレールが前に出ることになった。


 他車より1秒遅いペースでしか走れないベッテルはタイヤ交換をさせてくれと訴え、中団グループとのギャップができるのを待つチームに対して「トラフィックにハマっても構わない、このタイヤで走るよりマシだ」と主張するものの、フェラーリはベッテルを走らせ続け、19周目にようやくピットイン。作業も4.4秒かかってしまいアルボンの後方10番手でコース復帰となった。

 これを受けてフェルスタッペンが翌周アンダーカットのカバーのためにピットインし、ソフトに履き替えて早々に2ストップ作戦を決める。フェルスタッペンはハース勢の前5番手でコースに復帰しトラフィックに引っかかることなくプッシュを続ける。

 21周目にはクビアトがピットインし、22周目にはガスリーもピットに入る。ふたりはミディアムに交換する。中団各車もピットストップを始め、ルクレールも25周目にピットイン。左リヤの交換に手間取って4.4秒を要するもののベッテルの前でコース復帰を果たした。そして26周目にはボッタス、27周目にハミルトンがピットイン。ハードタイヤに交換したルクレールに対し、メルセデスはミディアムを選択した。


 30周目を迎える頃には2ストップ作戦でミディアムを履くベッテルが中団勢を抜いてルクレールの背後に迫る。テールトゥノーズの末に36周目にようやくチームオーダーが出され、ターン4でルクレールがベッテルを前に行かせる。ベッテルは40周目にピットインしミディアムに履き替えてガスリーの背後に戻り、ターン10で抜いて5番手を取り戻した。

 この時点で首位ハミルトンはボッタスに8.5秒差を付けて独走。3番手フェルスタッペンは12秒、4番手ルクレールは29秒、5番手ベッテルは45秒、6番手ガスリーは46秒後方という位置関係。中団トップはグロージャンでトップから56秒遅れ、その8秒後方でクビアト、マグヌッセン、アルボンの集団が追いかけ、カルロス・サインツとリカルドが11番手を争っている。

 フェルスタッペンは43周目に2回目のピットインを行ない、ミディアムに履き替えて4番手に後退。これでルクレールが3番手に浮上した。


 45周目にボッタスがピットインしてソフトに交換。その直後にターン2でノリスがストロールに追突して2台はストップしリタイア。これでセーフティカー(SC)が導入され、ハミルトンは予定通りピットインしてソフトに交換した。

 ルクレールもタイヤを換えたばかりのフェルスタッペンやベッテルとのギャップが縮まっては勝負にならないと判断し、ここでピットイン。ミディアムに交換する。これで上位は首位ハミルトン、2番手ボッタス、3番手フェルスタッペン、4番手ベッテル、5番手ルクレール、6番手ガスリー。しかしベッテルはタイヤ交換の可能性を尋ねるほど苦しい状況。


 このタイミングで2台同時ピットインしたトロロッソ・ホンダはクビアトのタイヤが用意できておらず混乱してタイムロス。7番手グロージャン、8番手マグヌッセンとなり、クビアトは9番手に留まったがアルボンはサインツの先行を許して11番手に後退してしまった。その後方にはヒュルケンベルグ、リカルドのルノー勢が続く。

 レースは53周目に再開となり、ガスリーはルクレールに並び掛けるもののルクレールがターン1でインを守ってポジションをキープ。後方ではマグヌッセンがグロージャンのインに飛び込んで僅かに接触しグロージャンがコースオフする間にマグヌッセンが前へ。

 さらにマグヌッセンはガスリーに並びかけていくがターン4~5でなんとかガスリーが6番手を守り切った。後方ではサインツがクビアトを抜いて9番手に上がっている。

 グロージャンはマグヌッセンに襲いかかり、56周目のターン1ではサイドバイサイドであわや接触という場面も。58周目のターン1ではサインツがグロージャンのインに飛び込んで接触し、グロージャンは再びランオフエリアに飛び出すが8番手を死守する。

 それでもサインツは58~59周目のメインストレートでDRSを使ってグロージャンをパスして8番手に浮上してみせた。61周目にはクビアトもターン1でグロージャンをパスして9番手に上がる。

 ハミルトンはレース再開後もボッタスを寄せ付けず66周を走り切り、今季3勝目を飾って再び選手権リーダーへと躍り出た。ボッタスは2位に入り、メルセデスAMGは開幕から5戦連続の1-2フィニッシュという驚異的な結果を手に入れた。

 フェラーリ勢はフェルスタッペンを射程圏内に捕らえることはできず、フェルスタッペンが開幕戦以来となる今季2回目の表彰台を獲得した。フェラーリはベッテルが4位、ルクレールが5位となり、6位にはガスリー。中団トップの7位はマグヌッセン、8位サインツ、9位クビアト、10位はグロージャン。アルボンは最後までグロージャンを追い詰めたものの届かず11位となった。