各チームがマシンをアップデートしてきたヨーロッパラウンド開幕戦となるF1第5戦スペインGP。勢力図にどのような変化が現れるのか。マシンの真の速さが結果となって出る土曜日の予選が注目された。
果たして、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは、フェラーリのシャルル・ルクレールをかわしたものの、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)にはおよばず、4番手に終わった。
ポジションだけを見れば、前戦アゼルバイジャンGPと同じ。だが、タイム差は、前戦が0.272秒だったのに対して、スペインGPでは0.085秒差と、約コンマ2秒縮めてきた。しかも、フェラーリは今回ICE(エンジン)を最新スペックにしてきているにも関わらず、レッドブル・ホンダが肉薄してきたということは、今回レッドブルが持ち込んだ車体のアップデートがしっかりと機能していると考えていいだろう。
4番手からスタートするフェルスタッペンは言う。
「今日は最大限の走りができたと思う。セブ(セバスチャン・ベッテル/フェラーリ)に接近できたからね。金曜日から僕らはうまくリカバーして、クルマのバランスは良くなった。だから、日曜日はフェラーリと表彰台は争えると思う」
■ピエール・ガスリーも自己最高位タイの予選6番手を獲得
チームメイトのピエール・ガスリーも、第3戦中国GP以来、今シーズンの自己最高位タイとなる予選6番手を獲得した。ただし、中国GPではトップから1.383秒差、チームメイトからも0.841秒離されての6番手だったのに対して、今回はトップからは1.302秒と中国GPとほぼ同じだが、チームメイトからは0.351秒差だった。
5番手のシャルル・ルクレール(フェラーリ)との差は、わずか0.12秒。フェルスタッペン同様、日曜日のレースではフェラーリとの一騎打ちが予想される。
「全体としてはいろいろと良くなってきている。シーズン前から取り組んできたことが、いまようやく実り始めていると思う。カタロニア・サーキットは抜きにくいので、スタートが重要だ。ただ、たとえスタートで抜けなくても、ここはタイヤに厳しいので、ピットストップ戦略も状況によって変わってくるかもしれないから、最後まであきらめないよ」(ガスリー)
ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターも「相対的な位置関係はあまり変わらなかったですが、タイム差的にはフェラーリに接近したと思う」と、レッドブル・ホンダが確実に進化していると語る。
しかし、レースはコンマ1秒でも前にいるほうが勝ち。進化を実感するには、なんとしてでも日曜日のレースで結果がほしい。田辺TDもその願いを込め、日曜日のレースでは「マックス選手に定位置(4位)から抜け出してほしい」と期待を込める。
メルセデスが大きく抜け出したスペインGP予選。日曜日のレースでの最大の焦点は、フェラーリvsレッドブルの一騎打ちといってもいいだろう。