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WRC:トヨタ、ラリー・チリ初日は4SSで最速。総合首位タナクは「飛ぶように速かった」

2019年05月11日 14:31  AUTOSPORT web

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オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)
5月10日に行われた2019年WRC世界ラリー選手権第6戦チリの競技初日。3台のトヨタ・ヤリスWRCで挑むTOYOTA GAZOO Racing WRTは、オット・タナクが総合首位、ヤリ-マティ・ラトバラが総合3番手に入り、表彰台圏内で走行を終了。クリス・ミークも総合5番手につけた。

 2019年がWRC初開催となるグラベル(未舗装路)イベントのラリー・チリ。競技初日はSS1~6までの全6SS、走行距離125.27kmで争われた。

 競技初日は天候に恵まれたものの、前日までは雨が降るような天候だった影響もあり、路面はところどころ泥状になっている箇所も残る状況。また午前中はステージの一部に霧も広がるコンディションとなった。

 3番目の出走順で走行を開始したタナクは、SS1でエンジンが停止するアクシデントなどがあったものの、SS2で最速タイムを記録して総合首位に。ランチブレイクを挟んで行われた午後のSS4~5でも最速タイムを叩き出して、リードを20秒以上まで広げてみせる。

 競技初日最後のステージとなったSS6では、ステージ6位に終わったものの、総合2番手につける王者セバスチャン・オジエ(シトロエンC3 WRC)に対し、22.4秒ものリードをつけて初日を終えた。

 チームメイトのラトバラはSS1でトップタイムを記録するなど上々の走り出し。一時は総合5番手までポジションを落としたものの、SS3でステージ2位、SS4でステージ3位に入って、総合3番手までポジションを挽回している。

 ミークもSS1でラトバラと同タイムのトップ発進を決めると、その後も終始安定したペースで走行。総合4番手のティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)と17秒差の総合5番手につけた。

 タナクとラトバラ、ミークの活躍により、トヨタは初日に行われた6SS中4SSでトップタイムを記録する結果となった。

「初日は、全体的に素晴らしい1日だった」と語るのはチーム代表を務めるトミ・マキネン。

「クルマは本当に調子が良く、午前中のループステージが終わった後、午後に向けてセットアップを少し変えたが、これは正解だったね」

「特にオット(タナク)はセットアップを大きく変更したのだが、彼は午後のステージで飛ぶように速く走り、とても良いフィーリングを感じているように見えた」

「明日に向けてすべてが順調に進んでいると思う。明日のステージは今日よりも少し速く、路面のグリップも安定していると思うから、ドライバーはより楽しんで運転できるだろうね」

 午後の走行に向けてマシンのセッティングを変更したというタナクも「エンジニアがクルマにファインチューニングを施し、その結果いいフィーリングと自信を取り戻すことができた」とコメントしている。

「明日のステージは、全体的に今日よりも速度が高そうだが、それは我々のクルマにとって歓迎すべきことだ」

 総合3番手につけたラトバラは「SS5の終盤スピンをしてしまい、自分に腹が立った」とミスがあったことを明かしたほか、ミークは「まだ万全とは言いきれないが、明日も攻め続ける」と述べている。

 競技2日目となる11日は、サービスパークが設置されるコンセプシオンの南側に広がる山岳エリアが舞台。ここで午前と午後に3SSずつ、計6SSが行われる。

 SS7~12までの合計距離は121.16km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は399.96kmだ。