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『荒野行動』がeスポーツに参戦! スマホゲームを主戦場にしたプロゲーマーも誕生か

2019年05月11日 07:11  リアルサウンド

リアルサウンド

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 皆さんは『荒野行動』というゲームをご存知だろうか? 2017年ごろからじわじわと流行ったゲームジャンル「バトルロイヤル」を手軽にスマホで遊ぶことができ、中高生を中心に爆発的にヒットしたゲームだ。


 そんな『荒野行動』が大会を開催し、今後「eスポーツ」としての展開に力を入れていくことを発表した。今回は同タイトルのこれまでとこれからについてまとめていく。


(参考:『PUBG』から『Fortnite』『Apex Legends』まで バトロワ始めるならどのタイトル?) 


■バトロワをより手軽にした荒野行動
 それまでのバトロワといえば、『PUBG』や『Fortnite』(フォートナイト)が主流だったが、どちらも高価なゲーミングPCやゲーム機が必要で、ゲーマーと呼ばれる人たちの間によるヒットに留まっていた。だが、『荒野行動』はスマホを使って手軽に遊ぶことができるバトロワゲームとして早い時期にリリースされ、中高生を中心に大ヒットしたのだった。


 リリース当初は『PUBG』のパクリと非難され、訴訟問題に発展したこともあり、悪い意味でも名前が広がったこともあった。だが、誤解しないでほしいのは、『PUBG』にも元ネタがあるという点だ。『PUBG』はもともと『Arma3』というゲームのMOD(ユーザーが作った追加要素)としてPLAYERUNKNOWN氏が開発し、その後、単独のゲームとして開発が進められたものだ。


 そして『荒野行動』は、リリース初期こそ確かに『PUBG』に似たゲーム性だったが、現在は多くの独自要素が盛り込まれ、すっかり別のゲームとなっている。


 リアルさを重視し、高度な操作技術、敵の次の行動を予測する心理戦、一瞬で戦況を把握して行動する判断力などが求められる『PUBG』とは違い、『荒野行動』は新武器の追加や、新スキンの追加などの頻度も高く、常に何かしらのイベントが開催されているソーシャルゲーム的な運営をしており、カジュアルに遊べる要素が多い。そういった運用がスマホゲーマーに受け入れられ、大ヒットを巻き起こす要因になったと言えるだろう。


 『荒野行動』は、さらなるユーザー獲得のために頻繁にコラボも行なっている。過去には『進撃の巨人』や、『ポプテピピック』などの日本で大人気のタイトルとコラボするなど、他のバトロワにはない組み合わせの施策が多く、既存ユーザーもコラボでの新規ユーザーのどちらでも楽しむことができる。


 そんな荒野行動が初の”eスポーツ大会”「荒野Championship-元年の戦い」を5月5日から開催中だ。賞金総額が2500万を超える大規模な大会となっている。


 オンラインで予選を実施し、その中でも優秀な成績を収めたチームのみがオフライン大会に出場することができる。15歳以上で、5~6人のチームを編成すると参加することができる。腕に自信がある人はぜひとも参加してみてはいかがだろうか。詳しい参加規約などは公式サイトを確認して欲しい。


 eスポーツへの本格参戦で「競技として日々鍛錬するタイプのゲーム」に急に大きく変わるかと言われればそんなことはないだろうが、変化はあるだろう。


 例えば、競技として捉えたときに気になるのがチート、バグへの対策だ。『荒野行動』に限らずゲームにはチートやバグがつきものだが、eスポーツ参入ともなると公平性に直接影響するため、徹底して排除することが必要になる。大金がかかった大会のオンライン予選でチートやバグを使い、不正行為で勝ち上がるプレイヤーが出てくることがあれば、重大な問題になってしまう。


 プロゲーマーが参加する世界レベルの大会であっても、チートを使用する選手が少なからず存在する。とは言え、『荒野行動』も初期バージョンではチート対策やバグ修正が十分ではなかったが、現在はしっかりとした対策が取られているので、大きな心配はいらないかもしれない。


■スマホバトロワゲーマー増加に繋がる?
 これまで、世界でプロゲーマーといえばPCゲーム、あるいは家庭用ゲーム機のプレイヤーがメインで、スマホゲームの実況や配信を行なうことはあっても、競技として取り組むプロゲーマーは多くなかった。しかし、今回の大会開催を通じて、そんな状況も変わるかもしれない。


 手軽にできるスマホゲームのクオリティもだんだんと上がり、PCやゲーム機と遜色ない高品質のタイトルが増えてきた。スマホゲーは、ゲーマーと呼ばれる人も多いが、大多数は、空いた時間などに少しゲームをプレイするようなライト層が占めているだろう。


 だが、今回のような大会が今後も展開し、プロゲーマーへの道が開拓されていくのであれば、ユーザーがライト層からゲーマーへ、そしてプロの道へとステップアップするきっかけになるのではないか。これを機に、『荒野行動』に興味のある人は、スマホゲームに少し”ガチ”になってみてもいいかもしれない。


(tomokin)