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佐藤万璃音、角田裕毅の活躍で注目のユーロフォーミュラ・オープンとは/【特集:欧州ジュニア・フォーミュラ探訪】

2019年05月10日 18:21  AUTOSPORT web

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佐藤万璃音、角田裕毅の活躍で注目のユーロ・フォーミュラ・オープンとは/【特集:欧州ジュニア・フォーミュラ探訪】
ホンダ育成ドライバーでFIA-F3にも参戦する角田裕毅(モトパーク)と名取鉄平(カーリン)、2018年までFIAヨーロピアンF3選手権を戦っていた佐藤万璃音(モトパーク)と、日本の若武者3名が参戦するユーロフォーミュラ・オープン(Euroformula Open=EFO)。2019年シーズンの開幕ラウンドでは角田が決勝レース1で2位、佐藤が決勝レース2で優勝を飾ったシリーズだ。

 過去には、金丸悠が参戦していたシリーズだが、日本での認知度は高くなく、シリーズについてご存知ではないかたも多いはず。角田、名取、万璃音の3名は今後も活躍が期待されるだけに、ここでユーロフォーミュラ・オープンについて、複数回に分けてご紹介しよう。第1回はシリーズの概要やヨーロッパでのポジションについてだ。

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 ユーロフォーミュラ・オープンは、大まかに言ってしまえば“スペインF3”といったポジションのシリーズ。運営母体はスペイン・マドリードに本拠を置くスポーツ・プロモーション会社『GPスポーツ』だ。

 使用されている車両の基本は、全日本F3選手権や2018年まで開催されていたFIAヨーロピアンF3とほぼ同じながら、部品の共通化や改造範囲を限定するなどコスト抑制策が講じられており、フォーミュラ・ルノー、各国各地のリージョナルF3/FIA-F4からステップアップしてきたドライバーの受け皿になっている。

 また、近年のユーロフォーミュラ・オープンはヨーロッパのグランプリ・サーキットを転戦するため、将来のF1参戦を狙うドライバーのコース習熟の場としても人気が急上昇している。

 実際、角田や名取のほかにレッドブル・ジュニア所属のリアム・ローソンも、F1のサポートレースであるFIA-F3とユーロフォーミュラ・オープンを掛け持ちする“Wプログラム”で臨んでいる。

 日本出身のふたり、そしてニュージランド出身のローソンは、全員ヨーロッパでのレース経験が少なく、彼らのようなフォーミュラの頂点を目指す欧州圏外ドライバーは、今後もユーロフォーミュラへ参戦してくる可能性が高い。

 このユーロフォーミュラ・オープンは、FIA-GT3カーで争われるインターナショナルGTオープンなどと併催されるため、パドックはトランスポーターやモーターホームで賑わいをみせる。



 一方でインターネットを使ったライブ配信やライブタイミングの充実もあり、現地で観戦するファンは少なめ。ただし、この現象はF1などのビッグイベントを除けば、ヨーロッパではごく当たり前の光景と言えるものだ。

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 集中特集の2回目では、コスト抑制策が講じられている車両について、FIA-F3や全日本F3、昨年までのヨーロピアンF3などとの違いについて、ご紹介する。