トップへ

ハースF1、マシンのスペックを分けてデータ比較を実施。結果次第で2台にアップデート投入へ

2019年05月10日 15:41  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

ロマン・グロージャン(ハース)
ハースF1チームは、今週末のF1第5戦スペインGPでアップデートを投入する。まずは金曜日のフリー走行でロマン・グロージャンのマシンにのみアップデートされたパーツを投入し、ケビン・マグヌッセンのマシンには従来のものを搭載することで、比較を行う予定だという。

 今回のアップグレードは、2019年シーズン最初の4戦でパフォーマンスを発揮できない原因となっていたタイヤ温度の問題を解決するための、最新の試みとなる。

 しかし金曜日のフリー走行で新パーツを試すチャンスがあるのは、グロージャンだけだ。マグヌッセンについては、エンジニアが適切な比較を行えるように、最初のうちは既存のものを継続して使用することになった。

「金曜日に我々がやるのは、1台を旧スペックで、もう1台を新スペックで走行させることだ。そうして比較を行う」とチーム代表のギュンター・シュタイナーは語った。

「新スペックのマシンに問題が起きたとしても、少なくとも比較することができる」

「2台のマシンを新スペックにしてしまうと、問題が起きた時にその問題がタイヤのせいなのか、あるいは新しいスペックのせいなのかがわからなくなってしまう」

「そういうわけで1台を旧スペックにし、もう1台を新スペックにする。そしてすべてが計画通りに運べば、金曜日の夜にもう1台のマシンに変更を施すことができる」

 シュタイナーは、金曜日にマグヌッセンのマシンをアップグレードしないのは、現地で新パーツが不足しているせいではないと述べた。

「我々にはすべてのパーツがそろっている。意図的に順番に作業を行い、タイヤ問題でさらに混乱することがないようにしたいのだ」

「我々の必要としていることは分かっているが、どうやって解決したらいいかが分からない。それほどに単純なことなのだ」

■タイヤの温度は下がり、ブレーキがオーバーヒート。解決策は未だ見つからず

 ハースは開幕戦オーストラリアGPで、マグヌッセンが6位に入賞して好調なシーズンスタートを切り、予選でも好結果を出してきている。

 しかしそれ以降、レースにおいてタイヤの温度を適切なウインドウ内に保つことができない問題が起き、ドライバーはふたりともバーレーンGP、上海GP、アゼルバイジャンGPをトップ10でフィニッシュすることができなかった。

「タイヤを温めて、適正範囲に収める必要があるだけだ。あまりにも単純なことだ。『ではなぜそうしないのか?』と聞かれてしまうだろう」

「そうできないのは、タイヤの温度を高める方法が分からないからだ。それは我々だけではないが、我々は他のチームよりも大きな影響を受けているかもしれない。そのことは完全に認めよう」

「ブレーキはある程度のエネルギーをタイヤに与えるが、タイヤを温めるために絶え間なくエネルギーを作り出すことはできない」

「それに、ブレーキはタイヤを温めるために作られてはいないし、オーバーヒートしてしまうことがある。バクーでのロマンは、ある段階でブレーキをオーバーヒートさせてしまった。激しくプッシュしすぎたからだ」

 シュタイナーはスペインの暖かい気候条件と高速コーナーが、ハースのマシンに適していることを期待している。

「(バクーより)悪いことにはならないだろう。ここでは順調にいくはずだ。テストでは順調だったし、オーストラリアでも順調だった」

「もし後退してしまったら、『何が起きたんだ?』ということになるだろう」