2019年のWRC世界ラリー選手権は5月9日、第6戦チリ開幕前最後の走行チャンスとなるシェイクダウンが行われ、アンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)がトップタイム。2~3番手にはトヨタ陣営の2台が続いた。
この2019年にWRCとして初開催されるラリー・チリは、4月末に行われた第5戦アルゼンチンと同じく南米大陸を舞台に争われるグラベル(未舗装路)イベントだ。
WRCを戦うワークスチームは、レギュレーションで欧州圏外での走行テストが禁じられているため、このシェイクダウンはチリの道路を走る貴重な機会となった。
シェイクダウンはサービスパークが置かれるコンセプシオンの南側を舞台に、全長6.45kmのステージで行われた。
雨の影響でシェイクダウン序盤は路面もぬかるんだ状況だったが、時間が経つにつれてドライコンディションへ変化。終盤まではティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)がトップにつけていたが、シェイクダウン終了間際にアタックしたミケルセンが4分46秒4のベストタイムを刻んでトップにつけた。
走行後、自身のTwitterに「シェイクダウンの感触は良かった」と綴ったミケルセン。
「1回目の走行はトリッキーなものだったから、少しセットアップを変更した。そのおかけでベースを上げることができたよ」
「その後、ステージの路面が乾いてきて、スピードを上げることができた。今回のシェイクダウンでは複数のコンディションを体験できたし、週末のバトルへ向けて準備は万全だ」
ミケルセンから1秒遅れの2番手タイムはトヨタのオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が記録。その0.2秒差にヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が続いている。
4番手以下は、ヌービル、エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)、クリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)、セバスチャン・オジエ(シトロエンC3 WRC)、セバスチャン・ローブ(ヒュンダイi20クーペWRC)が続いている。
下位クラスのWRC2を戦う勝田貴元(フォード・フィエスタR5)は5分00秒8で総合15番手。WRC2クラスのなかでは2番手、ワークスチームを含むR5車両のなかでは4番手という結果だった。
シェイクダウンを終えた一行は、コンセプシオン市街地にある独立広場に移動。現地19時(日本時間10日8時)にスタートしたセレモニアルスタートに参加し、現地のファンから熱烈な歓迎を受けた。
ラリー・チリの競技開幕となるSS1は、現地10日8時(日本時間同日21時)にスタート。この日はSS1~6までの6SSで争われる。