2019年のヨーロッパラウンド開幕戦となるスペインGPの木曜日会見には、バルテリ・ボッタス(メルセデス)、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)、ピエール・ガスリー(レッドブル・ホンダ)、カルロス・サインツJr.(ルノー)、ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)の5人が集まった。
まず、母国グランプリとなったサインツにマイクが向けられると、サインツは「皆さん、スペインへようこそ!!」と挨拶し、こう続けた。「母国のファンの前でレースを走ることができるなんて、幸せだよ」
現在F1ドライバーは20人いるが、じつは隣に座っていたボッタスを含めた5人が母国でグランプリを経験したことがない(ほかにはマックス・フェルスタッペン、キミ・ライコネン、ケビン・マグヌッセン、ロバート・クビサ)。しかし、そのサインツも、もしかしたら今年が最後の母国グランプリになるかもしれない。カタロニア・サーキットで行われるスペインGPの契約が今年限りで切れるからだ。
「もし、本当に今年限りとなったら、それはスペインにとって大きな損失になるよ。だって、スペインGPには長い歴史があり、このサーキットでは数々の名勝負が繰り広げられてきた。スペイン人だけでなく、F1にとってもなくてはならない存在だと思う。でも、まだ交渉は終わったわけじゃない。たとえ、来年は開催されなくなったとしても、近い将来、必ず戻ってくるよ」とサインツは語った。
開幕4戦でいまだ勝利がないベッテルには、ドイツ人記者から、「今夜(5月9日)、ヨーロッパリーグの準決勝セカンドレグでフランクフルトがチェルシーと対戦します。あなたはこの試合をテレビ観戦しますか。そして、 もしフランクフルトが勝って決勝に進出したら、それはあなたにとって今週末のやる気につながるでしょうか」という質問が。
するとベッテルはニッコリ笑って、「もちろん、見るよ」と即答。そして、こう続けた。「フランクフルトのこれまでの快進撃にすでに勇気付けられているよ。決勝進出は簡単ではないけれど、何が起きるかわからない。最後まで彼らを応援するよ」
現在、チャンピオンシップリーダーのボッタスには「好調の原因は今年から新しくなったエンジニアリング体制にあるか?」という質問が。ボッタスのレースエンジニアだったトニー・ロスは今年からフォーミュラEでメルセデスの新チームのエンジニア部門を統率することになってF1を離れたからだ。
■エンジニアリングチームの一新でこれまでと違ったアプローチをとるようになったバルテリ・ボッタス
ロスに変わり今年ボッタスのレースエンジニアとなったのが、昨年までハミルトンのパフォーマンスエンジニアを務めていたリッカルド・ムスコーニだ。この体制変更が功を奏したのか、昨年未勝利だったボッタスは今年はすでに2勝と2回のポールポジションを獲得している。
そのことはボッタスも認めている。
「確かに、僕のエンジニアリングチームは完全に新しくなった。新しい人たちと一緒に仕事をするようになって、これまでと違ったアプローチでセットアップすることがよくあるんだ。まだ僕たちの関係は始まったばかりで、これからどんどん良くなっていくよ」
上向きの状態でヨーロッパラウンドを迎えるのは、ガスリーも同じだ。
「開幕戦からいろんなことがあったけど、バクーでようやくマシンを快適に感じられるようになった。バクーのレースではペナルティを受けたり、最終的にリタイアに終わったけど、それは僕たちが正しい方向で仕事しているということは証明できたと思う」
ラッセルには、パトリック・ヘッドがコンサルタントとしてウイリアムズに復帰したことに関する質問が。
「パトリックは素晴らしい人間だよ。 彼は、本当に多くの経験と知識を持っていて、チームにやる気と偉大な精神をもたらしている。 彼はウイリアムズの歴史でもある。良い一歩になると信じている」