ピレリ・スーパー耐久シリーズ2019第2戦がスポーツランドSUGOで、4月27~28日に開催された。土曜にグループ2、日曜日にグループ1と2レース制で開催されたSUGOのレースウイークトピックスをご紹介する。
■豊田親子、今季初レースなる!
昨年最終戦で実現したMORIZOこと豊田章男氏と長男・豊田大輔の親子ドライブが今シーズン初めて達成された。実はこのコンビ、開幕戦にも実現の予定だったのが、思わぬレース中のアクシデントでMORIZOが乗り込む前にリタイアとなっていた。
そして今回は予選中にクラッシュを喫し車両はフロント部分を大破して、その日の午後の決勝は断念かと推測されていたのだが、なんと既にカラーリングされたスペアカーが登場!
決勝のスタートまでに準備は間に合わなかったものの、途中からレースに加わり息子から父親へのバトンタッチも無事なされた。MORIZOが笑顔で降りて大勢のスタッフが笑顔で迎える風景は、スーパー耐久らしくほのぼのとしていて良いものです。
■アストンマーチンがS耐から撤退?
開幕戦でいきなりデビューウインを遂げ、今回ST-Xクラス3位表彰台を獲得したD’station Vantage GT3。この日本1号車はレース終了後、スーパーGTシリーズの7号車に転用されてしまった。
ご存じのようにスーパーGT開幕戦でアストンマーティ・ヴァンテージGT3の駆る7号車がクラッシュ。メインフレームまで曲がるほどで、修理をすれば新車購入より経費が嵩むという。そこでGTからの特別承認を得て、スーパー耐久の車両をスーパーGTに転用した。
今年ドライバーの星野敏はル・マン24時間に出場することになっており、そのテストデーと日程の重なるS耐富士24時間には当初より出場の予定がなかった。
さらに今回SUGOで適用された性能調整では本来持つ性能が発揮できない、さらにアストンマーティンのデリバリーが追いつかないのでは? という予想もあり、周囲では今回でアストンマーティンは撤退するのでは? という噂まで飛び交うほどだった。
チーム関係者に話を聞くと、既にスーパー耐久用の車両はオーダーしており、7月の第4戦オートポリスには間に合わせるとのこと。アストンマーティンを見たい九州のファン、良かったですね!
■順位ディスプレイの表示、実は……
開幕戦のトピックスでも紹介した「レースポジションディスプレイ」。リヤクォーターの窓部などに順位がLEDで表示されるもので、義務付けされたST-X、Z、TCRクラス以外でも装着するチームがあり、コースサイドで撮影するカメラマンにも順位が分かって好評だとご紹介した。
ところが今回他のカメラマンたちとも話をしたのだが、意外な答えが返ってきた。「これはとても困る」と。
話を聞くと、撮影した写真の順位ディスプレイと決勝リザルトが一致しないことがあるとのこと。まぁ途中で順位が変わったらそうなりますよね……。
だけど編集者は「優勝したんだから、トップ走行時の写真が欲しい」と無理を言うのだとか。今後はディスプレイが写らない角度で撮影する必要があるかもです。
■桜も散っているのに寒かったSUGO
今回のレースウイークは寒の戻りで、公式予選とGr.2の決勝レースが行われた28日までは、気温6度と冬が戻ってきたような天候に。
それで思い出されるのが6年前の同じSUGO大会。4月末にまさかの大雪でレースが中止となったことを思い出すドライバーやチームスタッフも多かった。
しかし、Gr.2のレースはST-4クラス、ST-5クラスともとても熱く、寒さに震えていた熱心なファンも、最後まで楽しめたのではないだろうか?
翌日のGr.1のレースではアクシデントも多発しただけに、ピット数の関係でそうせざるを得なかったのだが、2グループに区分した2レース開催は大正解だった。