ル・マン24時間ウイナーで現役ポルシェワークスドライバーのアール・バンバーが率いるアール・バンバー・レーシング(EBR)は、IGTCインターコンチネンタルGTチャレンジに組み込まれる鈴鹿10時間とキャラミ9時間の2レースに出場する計画を打ち出している。
IGTCインターコンチネンタルGTチャレンジの2019年シーズン開幕戦バサースト12時間で、デビューウインを達成したEBMのボス、バンバーは同シリーズ第4戦の鈴鹿10時間レース、第5戦キャラミに最大で2台のポルシェ911 GT3 Rを投入したいと考えている。
バンバーによれば、チームは2月のバサーストでは旧式のポルシェ911 GT3 Rをレンタルしていたが、日本と南アフリカで行われるレースのために、新たに2019年型のニューモデルポルシェを購入したという。
「GT3レースへまた一歩踏み出しはじめることに、とてもわくわくしているんだ」とバンバー。
「僕たちは鈴鹿でのイベントを楽しみにしている。また、キャラミに行くこともとても楽しみだよ」
「チームにとって鈴鹿10時間は(今よりも)一歩先に進むことになると思う。キャラミはより大きなステップになるだろう。最終的に僕たちはマニュファクチャラータイトルを巡る争いを繰り広げているだろうからね」
「僕たちはもうクルマを組み上げている。準備は整いつつあるよ」
シリーズ開幕戦で優勝を果たしたにも関わらず、バンバーは、GTレースの世界でトップレベルの組織の地位を確立するには「まだやることがたくさんある」と語った。
「バサーストで勝利を勝ち取ったからといって、それは僕たちのチームが完璧だったということではない」とバンバー。
「僕らは鈴鹿に行き、バサーストのレースを戦ったときよりもさらに(チームを)良くしていく必要がある。それが今の目標であり計画なんだ」
また、ニュージランド出身のル・マンウイナーは、自身のチームが鈴鹿とキャラミに加えて、マカオのギア・サーキットで行われるFIA GTワールドカップにも出場する計画も立てていると明かした。
しかし、EBMがマカオグランプリ出場を実現させるにはロジスティクスの問題を抱える。チームはキャラミのIGTC最終戦の翌周、上海でのポルシェカレラカップジャパン・アジアを控えており、その翌周にあるマカオが連なると3週連続でレースに臨むこととなる。
しかし、バンバーはこの厳しい状況も達成できると確信している。
「3セットのクルマと機材が世界の3つの異なる場所で動くことになるが、少なくとも計画の全体には含まれている」
「その点、バサーストは狂っていたよ(笑) なにせ、参戦を決めてからすべての準備を整えるのに1カ月しかなかったのだからね」
「今回はもう(準備に必要な)期間が分かっているし、バサーストのときと比べれば準備を進める時間は充分にある」
なお、鈴鹿とキャラミでのEBMのドライバーズラインアップはまだ未定となっているが、少なくとも1台はポルシェドライバーとしてフル参戦しているクルーとジェントルマンドライバーによるプロ・アマのエントリーとなることが示唆されている。