F1シーズンを転戦していると、いろいろな人との出会いがある。今回は久しぶりにF1の現場に訪れた元F1最高責任者のバーニー・エクレストンに話を聞いた。
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2019年F1第4戦アゼルバイジャンGPを、元F1最高責任者のバーニー・エクレストンが訪れていた。
口ひげをたくわえ、最高責任者時代とは少し雰囲気が変わっていたが、パドックを精力的に歩き回る姿は、当時から変わっていなかった。
ただ、以前に比べると取り巻きも少なくなり、話しやすい状況だったので、日曜日のスターティンググリッドで話をうかがった。もちろん、聞きたかったテーマはホンダのこと。筆者は2015年にもエクレストンにホンダについてコメントをいただいた。2015年のホンダは復帰初年度ということもあり、かなり厳しい戦いを強いられていたが、エクレストンは「いずれホンダは復活する」と強い信頼を寄せていた。
あれから5年。今年、ホンダは開幕戦オーストラリアGPで、復帰後に初めてとなる表彰台を獲得した。そのことをエクレストンに尋ねると、ニッコリ笑って、こう語ってくれた。
「私は以前から、ホンダがいずれトップに返り咲く時が来るだろうと言っていただろ。今年、ようやくトップを狙えるポジションに来たことを非常に喜んでいるよ。でも、私が本当に見たいのは、F1で彼らが勝つ姿だよ」と語り、最後に、耳元でこう語ってくれた。
「これから、ホンダが勝つところを見に行くので、そろそろお邪魔するよ」
アゼルバイジャンGPで、エクレストンの願いは叶わなかったが、元F1の最高責任者にそんな思いでホンダを見守ってくれていることを知って、日本人として幸せな気持ちになった。