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『なつぞら』吉沢亮が初めて見せた心のうち 優しすぎる天陽の幸せを願う

2019年05月09日 12:01  リアルサウンド

リアルサウンド

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 「東映動画(現・東映アニメーション)」大川博社長の挨拶、スタジオ風景まで、“完コピ”されたPR映像が、5月9日の放送後に話題となった『なつぞら』(NHK総合)。なつ(広瀬すず)と天陽(吉沢亮)が、帯広の映画館で観たディズニー映画『ファンタジア』、および「東洋動画」のPR映像は、なつの人生にとって大きなターニングポイントとなりそうだ。


参考:『なつぞら』第35話では、照男(清原翔)が天陽(吉沢亮)になつ(広瀬すず)に対する思いを聞く


 ひとりの少女が“夢”を目の当たりにし、人生の進路を決定付けられてしまった瞬間の、神々しさはなんなんだろう。近年の朝ドラでも、『わろてんか』のてん(葵わかな)が「笑い」に、『半分、青い。』の鈴愛(永野芽郁)が「マンガ」に、『まんぷく』の福子(安藤サクラ)が萬平(長谷川博己)の「発明」に、ときめき、心動かされる瞬間が描かれてきた。そして、ヒロインたちが新しい一歩を踏み出す姿が輝くとき、“残される者”が描かれるのが朝ドラでもある。


 『なつぞら』でも、幼少期からなつを人生の師として導いてきた泰樹(草刈正雄)、心の支えとして共に成長してきた天陽に大きな変化が訪れようとしている。泰樹はなつをこの地にとどめるために、長男・照男(清原翔)と結婚させることを画策する。なつの幸せを願ってるからこその行動ではあるが、“暴走”と言っていい動きなのも確か(それがキュートでもあるのだが)。一方、天陽はなつの変化を察し、「(アニメーターになるために)東京に行ったらいい」と告げる。


 なつが「アニメーターになりたいとは言っていない」と反論すると、天陽は「だったら行くな!」と、いつもの優しい口調から一転、はっきりした口調でなつに一喝。酪農を選び、十勝で生きていくことを選択した天陽は、どんなに画の才能があっても東京に行くことはできない。飛び出すことができない自分の代わりに夢に向かって進んでほしい、なつにやりたいことをやってほしいという思い、なつとこのまま一緒にいたいという思い。相反する感情が同居したことから生まれた言葉だったのだろう。


 周囲からは“恋人同士”と囁かれるなつと天陽だが、2人は未だ“恋”には発展していない。泰樹がけしかけた照男と天陽のスキー対決を経て、幼馴染からの関係に変化が訪れるのか。(石井達也)