11月23~24日、富士スピードウェイで開催が予定されているスーパーGT GT500車両とDTMドイツ・ツーリングカー選手権車両によるジョイントイベント『スーパーGT/DTM特別交流戦~日欧6メーカーによる史上初の競宴~』。日程をはじめ少しずつその概要が見えはじめているが、5月4日にスーパーGT第2戦富士の会場で行われたGTA定例記者会見の場で、GTアソシエイションの坂東正明代表がさらなる概要について語った。
2009年から車両規定統一化に向けて、長い年月をかけて話し合いが続けられてきたスーパーGT GT500クラスと、DTMドイツ・ツーリングカー選手権。その両者に参戦するマシンたちが競い合う歴史的なイベント『スーパーGT/DTM特別交流戦~日欧6メーカーによる史上初の競宴~』がいよいよ11月に開催される。
このイベントのフォーマットについてはまだ明らかにされていなかったが、坂東代表によれば、近年のDTMと同様、11月23日/24日に予選・決勝をそれぞれ1レースずつ行うフォーマットになるという。レース距離は1時間。また11月22日(金)にも走行が予定されている。
また、細かいスポーティングレギュレーションは今後決定されるとしているが、DTMではオーバーテイクを促進するべく、リヤウイングを活用したDRS(ドラッグ・リダクション・システム)が使用できたり、プッシュ・トゥ・パスなどの可能性もあるが、富士というコース特性からDRSは使用しない予定だ。
タイヤについては、3月30日~31日の富士スピードウェイでのテストで、レクサス、ホンダ、ニッサンの3台のマシンがハンコックタイヤを装着しテストを行ったが、坂東代表によれば「ハンコックのワンメイクになることは決まっている」とのこと。DTM車両がハンコックを履かなければならないことが契約上決まっている状況であること、ふだん使っていることを考えると他の選択肢はなさそうだ。
気になる参戦台数については、18台が今季参戦しているDTM車両のうち、12~14台が来日することになりそう。これにGT500マシンが15台とすると、最大で29台が争う構図が見られるかもしれない。この台数については、ドイツからチャーター機で輸送することになるが、2台を上下に積むスタイルで7列=14台が1機で運べる数だ。これに機材が加えられる。
1時間というフォーマットということはスプリントレースとなるが、スーパーGT勢が地の利を活かすか、DTM勢がハンコックを知る強みを活かすか、そしてDTMとGT500の間の性能調整がどうなるかなど、興味は尽きない。
「ITRとGTAという個々のプロモーター同士がクラス1を作り上げるのは画期的なこと。ここからマニュファクチャラーのマーケティング、そして双方を応援してくれるファンの皆さんがいる。このコラボは今後、方針としてどういう形を作っていくかという部分はあるが、日本とドイツという両国のマニュファクチャラーが集う。経済規模が違うマニュファクチャラーの考え方、プロモーター同士、お客さんの思考も違うが、ここを発信源としてやることは大きな意味がある」と坂東代表。
「やっとここへきて一緒の土俵で走れる。ヨーロッパのプロモーターと一緒にやれることを自負したい」
また坂東代表によると、このレースには冠スポンサーもつくことになりそう。「鈴鹿のときに発表できると思っている」とのことで、今月中にはスポンサー名も判明するだろう。