5月5日、アメリカ・オハイオ州のミド・オハイオ・スポーツカーコースでIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第4戦が行われ、トップカテゴリーのDPiクラスに参戦するマツダチーム・ヨーストは、77号車マツダRT24-P(オリバー・ジャービス/トリスタン・ヌネス組)が2位、55号車マツダRT24-P(ジョナサン・ボマリート/ライアン・ハンター-レイ組)が3位に入り、ダブルポディウムを獲得した。
ル・マンで数々の栄冠を飾り“耐久の雄”として知られるチーム・ヨーストとジョイントして、2シーズン目を迎えているマツダチーム・ヨースト。昨シーズンから光る速さをみせているチームは、今ラウンドを欠場するハリー・ティンクネルの代役として、インディカー・シリーズ王者のハンター-レイを加えたラインアップで第4戦ミド・オハイオに臨んだ。
決勝日の前日に行われた予選では、デイトナ24時間でコースレコードを更新してポールポジションを獲得したジャービスが再びスーパーアタックを披露し、ミド・オハイオのレコードタイムを更新する1分10秒705というタイムで、今季2度目のポールを奪ってみせる。
迎えた決勝でもポールスタートのジャービス駆る77号車マツダは持ち前のスピードを発揮。一度はライバルのアキュラ・チーム・ペンスキー、6号車アキュラARX-05に攻略を許すものの、再度逆転してレースリーダーへと返り咲いた。
その後、ピットタイミングで2番手となった77号車だが、ジャービスから交代したヌネスがトップを行く6号車アキュラの背後にピタリとつけ、逆転のチャンスを窺っていく。しかし、フルコースコーションの導入などで最後までみたびの逆転は叶わず。最終的にトップからわずか2.022秒差の2位でチェッカーを受けることとなった。
一方、予選6番手につけた55号車マツダはハンター-レイがスタートを担当すると、そのオープニングラップに他車と接触しハーフスピンを喫する場面も見られたが、見事に体勢を立て直して5番手で1周目を終える。
ハンター-レイのドライブする55号車はその後、77号車と同様にハイペースで周回していきレース序盤に3番手に浮上。レース終盤にはハンター-レイからステアリングを引き継いだボマリートが後続車に迫られるものの、ポジションを守り抜き3位表彰台を獲得している。
「混戦となった今日のレースは、結果として満足いくものだった」と語るのは、マツダUSAモータースポーツのディレクターを務めるジョン・ドゥーナン。
「オリバー(・ジャービス)がポールからスタートし、最初の1時間は順位を入れ替えながらもトップポジョンを守った。また、ライアン(・ハンター-レイ)もオープニングラップでヒットされながら、3位にポジョンを押しあげている」
「今シーズンはまだ4戦目だが、我々は今回もレースをリードし、ポールも2回とっている。あとは勝利を手に入れるだけだ。とはいえ、今回のダブルポディウムは素晴らしい結果だと考えているよ」
ドゥーナンと同様に77号車のジャービスも「僕はこの結果に満足しているし、チームは僕たちが今週末成し遂げたことを誇りにすべきだと思う」とコメント。
「特にコースコンディションが目まぐるしく変化するなか、それにチーム全体で立ち向かうことができたからだ。ウエット路面からドライへと変化し、さらに太陽が路面を照らし出すと、グリップレベルは考えられないほど変わっていったんだ」
「でも、表彰台に2台揃って表彰台に上がれたのは成果だし、それは僕たちが正しい判断をしている証拠だと思う。次のデトロイトも楽しみにしているよ」
そんなジャービスとコンビを組むヌネスは「オリバーは最初のスティントでものすごく頑張ってくれた」とチームメイトの働きを称賛する。
「ライバルたちはとても力強かった。でも、僕たちも決して負けてはいなかった」
「しかし、レース後半になって日差しが戻ると、僕たちのマシンはグリップに苦しむことになっていったんだ。そのために再逆転はできなかった」
「優勝にここまで近づきながら手に入れられなかったのは、とっても悔しいよ」と語ったヌネスは最後に、「でもその瞬間は時間の問題だと思う。僕らは勝利にもっとも近い位置にいるのだからね!」と付け加えている。
マツダが挑むIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の次戦第5戦デトロイトはは5月31日~6月1日、ミシガン州のベルアイル・パークで行われる予定だ。