タレントの中川翔子さんが5月7日、ツイッターで、映画館で体験した理不尽な出来事を明かし話題になっている。映画館で映画鑑賞中に、前の席の人から突然「足やめろ!揺れてんだよ!」と、顔にジュースをかけられたという。
中川さんは席を蹴っていないが、自席揺れを感じていた。何らかの振動で映画館の座席が揺れていたと考えられるが、前の座席の人は後ろの席から蹴られていると勘違いしたようだ。
中川さんはツイッターで
「上映中だし黙ってそのまま映画みてましたがショックで内容が頭に入らなかった」
「内容が頭に入ってこなかったから、違う映画館でもう一回みたいと思います。ジュースで足と服がベタベタしてる、泣けてきたわ」
と、ショックを受けた様子を綴っている。
同様の被害に遭ったら「その場で『外に出て』と対応すべき」
理不尽極まりない目に遭ってしまったが中川さんだが、アトム市川船橋法律事務所の高橋裕樹弁護士は、今回のケースは暴行罪に問えるという見方を示す。暴行罪は、殴る蹴るといったいわゆる暴行以外にも、狭い室内で刀を振り回す、水をかけるなどの行為も含まれる。成立すれば、2年以下の懲役、または30万円以下の罰金が科される。
「かけられた液体が熱くてやけどをしたなど、なんらかの診断が出るなら傷害罪も問える」が、ツイートからは怪我をした様子が読み取れないため、傷害罪にはならなさそうだ。
他にも、民事上の責任として「服のクリーニング代もしくは弁償代、映画のチケット代、慰謝料などを請求できる可能性がある」というが、今回はもし捜査をしても、逮捕は難しいだろうというのが高橋弁護士の見立てだ。
中川さんは被害に遭ってからも映画を見続けている。上映後、ジュースをかけた相手はすぐに外に出て行ってしまったため、連絡先も分からない。
「被害届は受理されるでしょうが、相手は見ず知らずの人。ジュースをかけられた服は着替えてしまっているでしょうし、その場合は暴行の証拠もない。同じような被害に遭ったら、その場で『外に出てください』と対応するのが良いと思います。写真を撮るのも、映画を撮っていると誤解される可能性があるので」
突然の出来事を個人で防ぐには限界がある。もし、同様の被害に遭った場合は迅速に対応するのが良さそうだ。なお、今回のケースでは映画館に過失が認められない。そのため、「映画館に言っても、チケット代の返金には応じてもらえないだろう」とも指摘していた。
中川さんは今回の出来事を踏まえ、映画館に対し、
「こんなおかしな事が、ないように。席が揺れることがあるとしたら、注意書きしておいてほしいです」
と対応を呼びかけていた。