インディカー・シリーズに参戦する名門チップ・ガナッシ・レーシングのオーナー、チップ・ガナッシは、今シーズンからドライバーを務めるフェリックス・ローゼンクヴィストのスピードに感銘を受けたと語る。
2018年にスコット・ディクソンが5度目のドライバーズチャンピオンを獲得したチップ・ガナッシ・レーシング。2019年はチャンピオンのチームメイトにフェリックス・ローゼンクヴィストを起用した。
インディカー初挑戦となるローゼンクヴィストは、さまざまなカテゴリーでの経験を活かし、ルーキーとは思えない速さをみせる。開幕戦の予選ではディクソンを上回る3番手を獲得し、決勝でも4位に入った。
序盤4戦はロード/ストリートコースでの開催で、次戦もインディアナポリス・モータースピードウェイのロードコースを使用するインディカーGP。ローゼンクヴィストにとって初のオーバルレースで、インディカー最大のイベントとなるインディ500が試金石になるだろう。
オーナーのチップ・ガナッシは、これまでのローゼンクヴィストの走りに満足しているが、改善点もあるようだ。
「彼は本当にうまくやっている。昔からの友人であるロジャー・ペンスキーがかつて言っていたが、スピードを上げるより、スピードを下げる方が簡単だ。彼はほんの少しだけスピードを下げる必要がある。けど、彼はいいね」
「彼がウイークエンドで数回ランオフしているのは明らかだ。もう少しだけ遅く走る必要があるよ」とガナッシ。
4日にインディアナポリス・モータースピードウェイのロードコースでメーカーテストに参加したローゼンクヴィストは、「(インディアナポリス)ではいいスピードを持つことができた。いい結果を得たいという意欲はいっぱいあるよ」
「ロングビーチでは、僕たちは速かった。けど、その差はタイトだったんだ。もっと速くなるためには、限界に近づかなければならない。そうなるとミスもしてしまうものさ」
「ロングビーチだけでなく毎週末でたくさんのミスをしている。ブレーキをたくさんロックさせ、ランオフすることも度々あった。どれもが望んだものではないよ」
「ミスを続けていると、自信を失い、いいラップをまとめるために何をしているのかわからなくなる。僕たちはいくつか学んだんだ。ほんの少しだけ遅くすることで、自分自身もクルマもクイックに、うまくいくと確信している」とコメント。
結果を求めるルーキーに対し、ガナッシは大きな心配をしていない。
「彼が私に印象を与えなかったら、彼は今ここにいないだろう。今年、彼は勝つことができると思っている。2勝くらいね。私の期待だとは言いたくないよ。驚くことではないんだ」とガナッシ。
ローゼンクヴィストを過去に所属したドライバーに例えると、ガナッシはアレックス・ザナルディやファン・パブロ・モントーヤを思い出すと語り、高い評価をしている。
「これは言うことができる。ザナルディやモントーヤもこのチームでたくさんのフェンスや壁にぶつかっていた。誰もがそれを忘れているんだ」
「兄弟のように愛しているザナルディ。あらゆるオーバルでいろいろな壁に当たったと思うかい? 彼はそれをやったんだよ。その時は、レイナードの輸入業をやっていたから、部品を安くすることができて、神に感謝したね」とガナッシ。
ルーキー当たり年といわれる2019年シーズン。第2戦サーキット・オブ・ジ・アメリカズで勝利したコルトン・ハータのように、ローゼンクヴィストも勝利を手にすることができるだろうか?