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中条あやみ、『白衣の戦士!』でコメディエンヌとして開眼? 『ニセコイ』に通ずるヒロインを熱演

2019年05月08日 10:01  リアルサウンド

リアルサウンド

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 水川あさみとのW主演ドラマ『白衣の戦士!』(日本テレビ系)で、連続ドラマ初主演となる中条あやみ。本作では元ヤンの新米ナース役を熱演し、今テレビドラマ界のニューヒロインとして注目を集めている。


参考:中条のチャーミングな表情


 日本テレビ毎週水曜22時に放送される『白衣の戦士!』は、『ホタルノヒカリ』や『家政婦のミタ』、最近では『家売るオンナ』など数々の名作を誕生させた、 老若男女に愛される人気ドラマ枠での放送。そんな人気枠で中条の演技を初めて見る視聴者も多いだろうが、このドラマの印象次第で今後女優としての路線が大きく変わる可能性もある。


 ポカリスウェットやdocomo、ハーゲンダッツなどの登竜門的CMを数多く経験し、『another sky-アナザースカイ-』(日本テレビ系)のMCを務めていただけに、中城は今“国民的女優”への道を駆け上っている存在とも言える。これまで中条は、初主演映画『劇場版 零~ゼロ~』では全寮制女学園のカリスマ、続く2016年の『ライチ☆光クラブ』のロボットすら認める究極の美少女役を演じ、2016年毎日映画コンクールで新人賞を受賞した『セトウツミ』でのヒロイン役でも「画面にいるだけでも存在感がある」と評されるなど、近寄りがたい雰囲気を持つ“孤高の女神”として扱われることが多かった。


 しかしその後『覆面系ノイズ』では、モテるキャラではあるものの、天然で一途という今までの作品に比べ一般的な女子高生らしい役柄に。当時のインタビュー(参考:中条あやみが語る、『覆面系ノイズ』で得た自信 「10代最後にめぐりあえたことを幸せに思います」)で、漫画原作のキャラクターの役を”演じる”よりも自分が”寄っていく”ということを初めて経験したと語っていたように、役に対する姿勢が変わったようだ。その後の映画『ニセコイ』でも白目を剥くほどの顔芸満載の吹っ切れた演技を見せるなど、近寄りがたい存在から、懐に入ってくるような親しみのある役を演じるようになる。


 『ニセコイ』の役柄に関しては、各インタビューで「割と自分に近い」と話しており、本来はこういった元気なキャラをやりたかったのかと思わせるほど、実に活き活きと演じているのが伝わってくる。今回『白衣の戦士!』の元ヤンナース・立花はるか役は、この時のケンカっ早く、明るくカラッとしたキャラにとても近い。つまり、映画を知らない人には新たな挑戦だと思われるだろうが、最近の中条が得意とする役の一つであり、気負いなく演じられるとも言える。


 さて、次回で『白衣の戦士!』は第4話を迎える。中条の、ドジで、男子に奥手で、何かあると相手に凄む破天荒なキャラクターは、元ヤンなだけに情に厚く涙もろく、患者の立場になって考える人柄はやはり魅力的。第3話では、終末期医療、そして死という、ナースにとって乗り越えなくてはいけない壁に直面する。今までの涙とは違い、それが運命だと分かっていても、自分の無力さや悔しさの感情からくる涙を見せ、深い感動を呼んだ。「あの子の笑顔は、患者さんたちの心を明るくする」というセリフがあったが、やはり中条の笑顔と涙は女優としても最強の武器だと改めて感じさせる。


 また、指導係の婚活中ナース・三原夏美(水川あさみ)とのコンビも本ドラマの見どころだ。水川は、前クールの『スキャンダル専門弁護士QUEEN』(フジテレビ系)で竹内結子のバディとして絶妙なコンビネーションを見せていたが、今回は指導係と新人という関係なので、注意しながらも暴走するはるかを優しく見守るスタンス。水川が中条の女優としての良さを引き出し、どのようにドラマ自体を魅力的なものにしていくのか、これから期待したいところだ。中条あやみは今作でコメディエンヌとして開眼し国民的女優となるか。『白衣の戦士!』を最後まで楽しみたい。 (文=本手)