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Apple WWDC 19の発表内容がリーク iOS13とWatch OS 6に多数新機能など「iPhone偏重」から脱却?

2019年05月08日 08:01  リアルサウンド

リアルサウンド

 GAFAの一翼を担うAppleは毎年6月に開発者会議WWDC(Worldwide Developers Conference)を開催し、最新OSに関するアップデート情報を周知するのを慣わしとしている。今年は6月3日から7日に開催されるのだが、開催1ヶ月前にして早くもリーク情報が報じられた。


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■ダークモードにスクリーンタイムの機能強化
 ブルームバーグは6日、WWDC19に関するリーク情報を報じた。内部計画に精通した関係者によると、今年のWWDCで発表される内容は例年通りiOSをはじめとした各種OSのアップデートである。iOSの最新バージョンにあたる「iOS13」については、多数の新機能が実装されるようだ。以下では、リークした情報の一部を紹介する。


 最新iOSには夜間でのディスプレイの視認性を高めるダークモードが実装される。このモードを有効にすると、背景が黒くなる一方で文字が白く表示されるようになる。この設定は、コントロールセンターから素早くアクセスできる。


 ヘルスケアアプリも一新される。具体的には、聴覚の健康に配慮した音量を設定できる「聴力の健康」という新しい項目が追加される。さらに月経周期のトラッキングが可能となる。


 アプリへのアクセスを管理するスクリーンタイムには、連絡先を制限できる機能が追加される。この新機能を使えば、子供が持つiPhoneに18時以降は両親にしか連絡できないようにする、というような設定が可能となる。この機能は、子供の安全をより確かなものにしてくれるだろう。


 ブック、メッセージ、マップといった各種アプリもアップデートされる。マップアプリに関しては、会社や学校のようなよく行く場所を設定できるようになる。現在マップアプリと言えばGoogle Mapsが大きなシェアを占めているが、Appleのマップアプリがアップデートされることでこうした現状に変化が生じるかも知れない。


■Apple Watchにアプリダウンロード
 Apple Watchシリーズの最新OSとなるWatch OS 6は、アップデートによってiOS以上に大きく変化する。もっとも大きい変化は、アプリの直接ダウンロードが可能となることだ。現行のApple Watchにアプリをインストールする場合は、iPhoneからApp Storeにアクセスするという手順が不可欠である。アップデート後は、Apple watchから直接App Storeにアクセスしてアプリをダウンロードできるようになる。


 また、Apple Watchから直接ボイスメモ、ブック、そして電卓アプリが利用できるようになる。ブックアプリに関しては、腕時計のディスプレイに文字を表示するのではなく、オーディオブックで「本を聴く」という利用法を想定している。iOSで新しく追加される月経周期のトラッキング機能にも対応する。


 ユーザインタフェースも改良され、iPhone Xシリーズに実装されているユーザの表情を反映したAnimoji(アニ文字)とMemoji(ミー文字)に対応する。さらに多数の文字盤が追加される。追加されるのはローマ数字とアラビア数字を併用した「カリフォルニア」、日時計のような時刻表示となる「ソーラーアナログ」といったものである。


 以上に挙げたiOSとWatch OSのアップデートのほかにも、Mac OSとApple TVのアップデートも予定されている。


■「iPhone偏重」からの脱却
 今年のWWDCは、もしかしたら例年9月に開催される次期iPhoneの発表と同じくらい重要なイベントとなるかも知れない。というのも、Appleは利益をiPhone販売によって確保する「iPhone偏重」体質からの脱却を目指しているからだ。


 アメリカのスマホ専門ニュースメディア『phoneArena』は6日、Appleの「iPhone偏重」の深刻さを伝える記事を公開した。その記事では、同社がアメリカ証券取引委員会に提出した資料にもとづいて、頼みの綱のiPhoneが世界的な販売不振に陥っていることを伝えている。昨今のAppleの業績悪化の原因として、中国市場におけるiPhone販売の不振が指摘されていた。しかし、同社が提出した資料は南北アメリカ、欧州、そして日本においてもiPhoneの販売数が下落したことを明らかにしているのだ。


 iPhoneの販売不振の一方で、南北アメリカ市場においては明るい兆しが見えている。この市場ではiPhone販売数の下落がサービス部門とウェアラブル部門の業績によって相殺された結果、2019年1月から3月までの利益が前年同時期比で4%上回ったのだ。


 iPhone偏重からの脱却の兆しは、国内メディアのマイナビニュースも伝えている。同メディアによると、4月30日に発表されたAppleの2019年1月から3月の売上高は、前年同時期比5%減の580億1,500万ドル(約6兆4,000億円)だったものも、サービス部門に限って見れば過去最高の114億5,000億ドル(約1兆3,000億円)となったのだ。こうしたサービス部門の成長が評価され、業績発表後に同社の株価は5%上昇した。


 以上のようなサービス部門への注力を進めるうえで重要となるのが、OSやアプリのアップデートであろう。今年のWWDCの発表に注目すれば、Appleのサービス部門強化策の方向性がわかるかも知れない。


(吉本幸記)