女性のみで争われるフォーミュラカーシリーズ『Wシリーズ』の共同運営責任者のひとりであり、諮問委員会のトップを務めるデイビッド・クルサードは、2019年のF1開幕戦オーストラリアGPでWシリーズの開幕戦を行わないかというオファーがあったことを明かした。
女性ドライバーの才能を伸ばし、F1へのステップアップを助けることを目標においているWシリーズは、5月4日(土)にホッケンハイムで開幕。イギリスF3での優勝経験を持つジェイミー・チャドウィックが優勝を飾った。またこのシリーズに参戦する唯一の日本人ドライバーである小山美姫は、7位に入賞した。
WシリーズはDTMドイツ・ツーリングカー選手権のサポートレースとして開催されることになっており、2019年は6レースが予定されている。
ホッケンハイムを訪れたクルサードは、Wシリーズを今年のF1開幕戦オーストラリアGPのサポートレースとして開催しないかというオファーがあったことを明かした。だが、当初は素晴らしい提案だと考えたものの、クルサードはまだ時期尚早だと見なしたという。
ロイター通信の報道によると、クルサードはホッケンハイムで「Wシリーズの最初のレースをオーストラリアで開催してほしいと、オーストラリア側が我々に要求してきた」と述べた。
「オーストラリアGPは政府から資金を受け取っているイベントだ。だから彼らとしては、我々が失敗したとしても、何も問題はないのだ」
「『開幕戦のために、オーストラリアに行かなければならないことになったら』と考えて、とても興奮したよ。だがチーム側は、『オーストラリアに行って、何らかの理由で物事を正しく進めることができなかったら』と考えただろう」
DTMはWシリーズに申し分ない機会を与えることになったが、クルサードは、Wシリーズに出場するドライバーたちが、F1のレースウィークにその才能を示しているところを見たいと考えている。
「もしF1に繋がるという少しのプレッシャーがあれば、もっと興味深いものになるだろうと考えている」
「DTMと手を組んだことにはとても満足している。これが彼女たちの最初のレースだ」
Wシリーズが始まってまだ間もないが、クルサードはF1のオーナーであり商業権を持つリバティ・メディアがWシリーズの革新的なコンセプトに目を向けていると話した。
「これは完全に新オーナー(リバティ)や彼らが支持するもの、彼らのやっていることに合っている」
「我々はリバティと話をしたが、彼らはこれがどのように成長していくのかを見たがっている」