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FIA-F4富士:佐藤蓮が2戦連続のポール・トゥ・ウィン。「レース内容は今まででいちばん良かった」

2019年05月07日 12:21  AUTOSPORT web

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FIA-F4富士大会で連勝した佐藤蓮(SRS/コチラレーシング)
FIA-F4選手権の第2大会が5月3~4日に富士スピードウェイで開催され、第3戦、第4戦ともに佐藤蓮(SRS/コチラレーシング)がポール・トゥ・ウィンを達成。今季3勝目をマークして、ランキングでもトップに立つこととなった。

 佐藤は2日に行われた公式練習から絶好調。セッション1ではひとり1分46秒を切る、1分45秒902をマークし、2番手が1分46秒114の太田格之進(SRS/コチラレーシング)で、3番手が1分46秒386の三宅淳詞(HFDP/SRS/コチラレーシング)だった。

 セッション2でも、佐藤はタイムこそ1分46秒216に落とすも引き続きトップで、2番手につけたのは平木玲次(Media DoADVICS影山F110)で1分46秒327をマークし、1分46秒427の太田を従えた。

 3日午前に行われた公式予選でも佐藤は序盤のうちにトップに立ち、いったん中盤に平木のリードを許すも、すぐに再逆転を果たす。その時点でセカンドベストタイムは平木の方が上回っていたものの、終盤にはそれすら上回ってWポールを奪うこととなった。

 公式練習のタイムを更新することはできなかったのは、温度が著しく上昇していたため。それでも1分45秒949、1分45秒961と2本とも1分45秒台だったのは佐藤のみ。予選2番手に続いた平木でさえ、ベストタイムは1分45秒979ながら、セカンドベストタイムは1分46秒073だった。

 第3戦の3番手は太田で、4番手は篠原拓朗(Media DoADVICS影山F110)。前週のS耐でクラス初優勝を飾ったばかりとあって、成長ぶりも感じさせた。だが、決勝レースでいきなりアッと言わせたのは平木を含む3人ではなく、予選5番手の岡本大地(SACCESS RACING F4)だった。絶妙のスタートを決め、佐藤に続く2番手に躍り出ていたからだ。

 逆に平木は「クラッチが壊れて」完全にスタートに出遅れ、さらに真後ろにいた篠原も回避はできたが、太田の前に出ることはできなかった。

 1周目を終えた段階で早くもトップグループが佐藤、岡本、太田、篠原の順で形成されるも、次の周には篠原が脱落。それでも三つどもえの戦いが続くなか、「セクター3で突っ込みすぎたかも」という岡本がストレートの伸びを欠いた一瞬を、太田が見逃さず。8周目にかわして2番手に立つ。

 そのままトップにも立ちたい太田ながら、佐藤は隙を見せてくれず。最終ラップになってわずかに差を詰められたが、逃げ切りなって佐藤が2勝目をマークした。

「後半ちょっとペースが上がらなかったので、明日(の第4戦)はそこを改善していきたいですね。チーム的にもワンツーで終えられたのは良かったと思います」と佐藤。太田に続いた岡本は、これが初めての表彰台に。

 一方、4位は野中誠太(FTRSスカラシップF4)が獲得。9周目に篠原をかわし、終盤は単独走行に。篠原は最終ラップに川合孝汰(DENSOルボーセIPG F4)にも抜かれて、無念の6位。

 そして最後尾まで後退した平木は10位でゴールし、手負いの状態ながらファステストラップを記録していた。インディペンデントカップは、仲尾恵司(TCS Racing Team)が今季2勝目をマーク。

 4日に行われた第4戦決勝で、佐藤と平木の背後に並んだのは、岡本と太田。ここでも平木はスタートに出遅れ、岡本はふたたび絶妙のダッシュで2番手に浮上。平木は6番手でなんとか踏み留まる。

 そして、その背後ではストールした車両を避けきれずクラッシュがあり、即座にセーフティカーが導入されることになる。4周目のリスタートを決めたのは、カートレースでローリングスタートは大得意の佐藤。一気に1秒2もの差を岡本に対してつける。

 そのまま逃げ続ける佐藤に対し、2番手争いが激しさを増す。岡本を太田と川合が追い詰めていく。このバトルが大きく動いたのが10周目だった。

 9周目に太田を抜いていた川合は、その勢いのまま岡本にも迫って1コーナーで前に。その流れに続いたのが平木で、いつの間にかバトルに加わっていたばかりか、ヘアピンで一気に3番手にまで浮上する。後半のペースが上がらない岡本は、そのまま後続集団にも飲み込まれてしまう。

 ともに4年目の川合と平木のバトルは最後まで続くも、12周目の1コーナーで平木が逆転。川合も再逆転を試みたが、その機会は訪れずに終わる。その間に佐藤はさらに差を広げ、今季3勝目をマークすることとなった。

「今日はすごく安定して、最後までいいペースで走れました。セットアップの変更で、良くなったようです。レースの内容は今まででいちばん良かったと思います。次の鈴鹿では連勝を目指します」と佐藤。

 4位はルーキーの平良響(FTRSスカラシップF4)が獲得し、5位は太田。予選中の接触で10番手からのスタートだった菅波冬悟(OTG DL F110)が6位に。岡本は10位だった。

 2019年シーズンのFIA-F4第5~6戦は、5月25~26日に鈴鹿サーキットで開催される。