2019年05月07日 11:01 弁護士ドットコム
交通の頻繁な道路でスケートボードをしたとして、神奈川県警戸部署は4月16日、横浜市の男性を道路交通法違反(禁止行為)の疑いで書類送検した。
【関連記事:「田中の対応最悪」社員名指しの「お客様の声」、そのまま社内に貼りだし公開処刑】
地元の神奈川新聞によると、当該行為があったのは2018年10月20日(土)。男性は午前8時10分ごろ、横浜駅近くの幅3メートルほどの一方通行の市道でスケボーをしたとされる。
街中でスケボーをしている人は珍しくないが、違反の基準はどこになるのだろうか。阿部泰典弁護士に聞いた。
ーースケボーは法律でどう規定されているのでしょうか?
「道交法76条4項3号は、次の行為を禁止しています。
『交通のひんぱんな道路において、球戯をし、ローラー・スケートをし、又はこれらに類する行為をすること』
スケートボードは、この『これらに類する行為』に含まれると理解されています。罰則は5万円以下の罰金です」
ーー「交通のひんぱんな道路」はどの程度の交通量を指すのでしょう?
「厳密な基準があるわけではありませんが、一言でいうと『混雑しているかどうか』ということです。
この『交通』には歩行者も含まれます。スケボーに乗るときは、歩行者や車の往来が少ない道を選ぶべきです。
たとえば、東京地裁平成24年7月20日判決は、信号機のある交差点において、青信号にしたがったタクシーと赤信号を無視したスケートボーダーとの衝突事故の事案でした。
判決では、スケボーで走行していた者に100%の過失を認めました。赤信号無視に加えて、事故が起きた道路が『交通のひんぱんな道路』に当たるとして、スケボーで走行すること自体が禁止されていることも考慮されたのです。
なお、いつもは空いている道路でも、その時たまたま混雑していたら『交通のひんぱんな道路』に該当しますので、注意が必要です」
神奈川新聞によると、書類送検された男性はスケボーで走行中、横断歩道を歩いていた人と衝突していたようだ。相手にケガはなかったものの、目撃者の通報で警察が捜査していたという。以前からスケボー走行について、警察から警告も受けていたという。
混雑する道を走っていたからといって、ただちに事件化されることはあまりないかもしれないが、道交法違反にはなるので、事故を起こした場合、この規定が大きく影響してきそうだ。
混在する道でのスケボーは危険なので、くれぐれも乗る場所には注意してほしい。
【取材協力弁護士】
阿部 泰典(あべ・やすのり)弁護士
平成7年4月 弁護士登録。平成14年4月 横浜パーク法律事務所開設。平成21年度 横浜弁護士会副会長。平成24年、25年度 横浜弁護士会法律相談センター運営委員会委員長、横浜弁護士会野球部監督
事務所名:横浜パーク法律事務所
事務所URL:http://www.yokohama-park-law.com/