2011年開幕時のラリーでの事故により、人生を一転させるような大怪我を負ったロバート・クビサは、2019年開幕とともにフルタイムF1ドライバーとして復帰を果たし、夢を実現させたかのように見えた。
しかし開幕4戦で発生したウイリアムズのマシンFW42の度重なるパフォーマンスの問題が、この夢のような出来事を悪夢に変えようとしている。
クビサはこれまでのすべての終末において、予選と決勝で最も遅いドライバーとなっており、悔しさのある復帰になっていることを認めた。
「僕らの現実的な目標は、シーズンをスムーズな形でスタートさせることだった」と、クビサはスペインGPの週末を前にF1公式サイトのFormula1.comに語っている。
「ポジティブな気運を持つことが重要だ。そうすればマシンの改善に集中することができ、可能な限り最高なパフォーマンス領域に持っていこうと努めることができる」
しかしプレシーズンテストのために訪れたバルセロナのカタルニア・サーキットでの状況は悲惨なものであり、FW42は2月の公式テスト最初の2日間では、コースに出る準備すらできていなかった。
「残念ながらテストでのシチュエーションは、それとは少し違っていた。とてもがっかりしたよ」と、クビサは状況を控えめに表現した。
「チームと僕は、非常に複雑な状況に置かれることになった。バルセロナでの最初のテストは、僕の人生において最も重要なテストだったんだ。長いブランクのあとの復帰だったからね」
「あれが、僕が自分自身に集中できる唯一のチャンスだった。マシンに対しての知識を得て、復帰に向けての準備をするということだ。ところが僕は最初のグランプリで、リカバリーとバルセロナでするべきだった理解をしなければならなくなってしまったんだ」
「一方で、こうしたことが今の時期に起きたのは良かった。何が起きているのかを理解しようと努めることができる」とクビサは話した。
しかし、そうしたことのすべてを差し置いても、クビサはウイリアムズとの契約が正しい決断だったという確信を持っており、2019年にF1に復帰したことに対しての後悔はないと主張する。
「変に聞こえるかもしれないけれど、復帰を楽しんでいるよ。助けをすること、関わっていられることを嬉しく思っている」
「長く離れていたからかもしれない。自分たちが苦戦していることは分かっているし、僕らは遅くてレースは難しい。それでも楽しんでいるんだ」
「受け入れなければならないし、自分の置かれたシチュエーションに対してリアクションを起こさなければならない。ときには困難な状況から、ポジティブなことを発見することもある。多くの人たちには、難しいことだけどね」
「僕はドライバーとして、確実に進歩を遂げていかなければならない。僕は多くを学んできた。これからは自分のなかでパフォーマンスを築き上げるべく努力し、進歩していくんだ」
「心配事が少ないに越したことはない。そのほうが気分も良いし、パフォーマンスに集中できる。それこそが僕らに、真に必要なことなんだ」