MotoGP第4戦スペインGPを9位で終えた中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)。開幕戦カタールGPからトップ10圏内でのフィニッシュを続ける中上だが、スペインGPの9位は満足のいくものではなかった。そんななかで、中上は自身の課題を見出したという。
2018年11月にヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで行われた公式テストで、中上はトップタイムをマークした。得意とするサーキットということもあり、中上はいいイメージをもってスペインGPに乗り込んできたはずだ。
フリー走行1回目では4番手と、出だしは好調。翌日に行われたフリー走行3回目までの総合結果でも7番手につけ、予選をQ2から臨んだ。予選は前日よりも気温が下がったことでタイムが出やすい状況となり、トップから12番手までがわずか0.634秒差以内にひしめく混戦となる。
中上はそんな接戦のなかで、8番手グリッドを獲得。8番手は中上にとって、MotoGPクラスの自己ベストグリッドだ。それでも目標としていた6番手以内、そしてタイムを出すことができなかったことについて、悔しさをにじませた。
「フリー走行3回目で1分37秒3が出たときに、予選では1分37秒1を目標にしました。そのタイムを達成できず、ちょっと残念な気持ちでした。自分自身、もう少し行けたんじゃないかと不甲斐ない気持ちにもなりました」
予選で中上が記録したタイムは1分37秒332。目標タイムには約0.2秒及ばなかった。レースペースを確認するフリー走行4回目では自身のペースのよさを確認したという。中上はレースに向け、「明日の決勝はトップ6を目標に最後まで戦います」と語った。
しかし決勝レース序盤、中上はジャック・ミラー(プラマック・レーシング)やバレンティーノ・ロッシ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)、ジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)に交わされ、12番手にまでポジションを落とす。それでもコンスタントなラップタイムを刻み、最終的に9位フィニッシュ。
開幕戦カタールGPから4戦連続のトップ10フィニッシュだが、得意とするサーキットだっただけに、納得できる結果ではなかった。このレースのなかで、中上は課題を見出したそうだ。
2018年シーズンを終えたあと、中上は序盤のレースペース、そしてポジション争いのバトルを自身の課題に挙げていた。そして今季のレースでは、その課題を克服した走りを展開してもいた。アルゼンチンGPでは2番手を争うグループに加わる力強さも見せていたのだ。しかしスペインGPで、中上はまだ「序盤のアグレッシブさ」が足りないと感じたという。
「序盤、アグレッシブさに欠けたことが今日の反省点となりました。スタート直後、スペースを見つけたらすぐに前で出ていくという積極性が足りませんでした。今、振り返れば、もう少しいけたし、いけばよかったなと感じています」
「今日の反省点を克服するためにも、明日(6日)の(ヘレス)テストでは、スタート直後のライン取り、ペースアップの仕方などをテストメニューに入れていこうと思います」と、中上は課題克服に向け、前を向いた。中上の次戦フランスGP、そして上位進出に向けた取り組みは、すでに始まっている。