ホッケンハイムで開催されたDTMドイツ・ツーリングカー選手権開幕戦。5日に行われたレース2は、レネ・ラスト(アウディRS5 DTM/アウディスポーツ・チーム・ロズベルグ)が16番手から追い上げ、今シーズン初勝利を挙げた。
レース2の予選は、ドライコンディションで行われフィリップ・エンゲ(BMW M4 DTM/BMWチームRMR)がキャリア2度目のポールポジションを獲得した。昨年のホッケンハイムで行われた最終戦よりも4秒近く速い1分28秒972というタイムでコースレコードを更新した。
0.4秒差でマルコ・ウィットマン(BMW M4 DTM/BMWチームRMG)が2番手。3番手にロビン・フラインス(アウディRS5 DTM/アウディスポーツ・チーム・アプト・スポーツライン)。
アストンマーティン勢は下位に沈み、ダニエル・ジュンカデラ(アストンマーティン・ヴァンテージDTM/Rモータースポーツ2)がトップと1.3秒差の14番手が最上位グリッドとなった。
37周で争われる決勝レース。ポールポジションのエンゲはトップをキープして1コーナーへ。2番手のウィットマンはスタートに失敗。4番手スタートのニコ・ミュラー(アウディRS5 DTM/アウディスポーツ・チーム・アプト・スポーツライン)が2番手に浮上する。
予選3番手のフラインスも出遅れ、6番手スタートのティモ・グロック(BMW M4 DTM/BMWチームRMR)が3番手で1コーナーに進入する。
7周目、ロイック・デュバル(アウディRS5 DTM/アウディ・スポーツ・チーム・フェニックス)がマシントラブルでコースアウトし、セーフティカーが導入。同じチーム・フェニックスのマイク・ロッケンフェラーもトラブルでリタイアしてしまう。
このタイミングでラストがピットインしてタイヤを交換。しかし、セーフティカー中のためピットイン義務はカウントされず、もう一回のタイヤ交換が必要となる。
9周目にレースは再開。エンゲはミュラーに並ばれるもトップをキープする。ヘアピンでは、大外からブルーノ・シュペングラー(BMW M4 DTM/BMWチームRMG)がグロック、ウィットマンをまとめてオーバーテイクし、3番手に浮上。タイヤ交換をしたラストはこの1周で9番手までポジションをアップする。
ポジションを落としたウィットマンは、11周目のヘアピンで他車に接触されスピン。最後尾までポジションをダウンしてしまう。
ニュータイヤでオーターテイクショーをみせるラスト。13周目にシュペングラー、ミュラーを交わし2番手にジャンプアップ。さらにトップのエンゲを捉えると、14周目のヘアピンで交わしトップに浮上する。
スタートで遅れたフラインスだったが、徐々にポジションを取り戻し、17周目にはミュラーを交わし3番手に。19周目にはエンゲをオーバーテイクし2番手に上がる。
後方との差を広げるラストは、22周目終わりで再びタイヤ交換へ。翌周にフラインスがピットインへと向かう。しかし、タイヤ交換でタイムロスしポジションを落としてしまう。
ここでトップに立ったのは、セーフティカー前にピットインを行っていたポール・ディ・レスタ(アストンマーティ・ヴァンテージDTM/Rモータースポーツ1)。
ラストとの差は15秒開いていたが、タイヤがもたずに25周目終わりでピットイン。
トップはラスト、2番手にミュラー、エンゲ、シュペングラー、ウィットマン、フラインスの順でレースは終盤戦へ。
ピットで出遅れたフラインスは、ウィットマンを27周目の1コーナーで交わすと、30周目には4番手に浮上。さらにエンゲを捉え、35周目のヘアピンでオーバーテイク。これでアウディ勢が1-2-3体制に。
ラストはトップでチェッカーを受け、今季初勝利。昨シーズン終盤の6戦で6勝をした勢いを今シーズンも見せつけた。
ミュラーはフラインスに迫られるも2位をキープ。3位にフラインスとなり、アウディが表彰台を独占した。
「信じられないレースだ。キャリアの中でも最高のひとつだよ。勝利を期待していなかったけど、ニュータイヤは明らかに優れていたね」とラストはコメントしている。
新時代を迎えたDTM。次戦は、5月17~19日にベルギーのゾルダーで開催される。