MotoGP第4戦スペインGP MotoGPクラスの決勝レースがヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで行われ、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)が優勝。前日の予選でセンセーショナルにポールポジションを獲得したファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)はマシントラブルにより、リタイアとなった。
決勝レースは気温21度、路面温度42度のドライコンディションのもと、行われた。ホールショットを奪ったのは3番手スタートのマルケス。好スタートを切ったマルケスに、フランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)、クアルタラロが続く。
序盤はマルケス、モルビデリ、クアルタラロのトップ3がやや抜け出す展開。この3人を、4番手のマーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)、5番手のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ミッション・ウィノウ・ドゥカティ)が追う。
2周目にはモルビデリ、3周目にはクアルタラロがファステストラップを叩き出し、ペトロナス・ヤマハSRTのふたりがマルケスを追随。一方、トップのマルケスも5周目に自己ベストをマーク。3人はほぼ等間隔を保ったまま、周回を重ねていく。その約0.6秒後方に、4番手のビニャーレスが続く展開だ。
マルケスはコンスタントに1分38秒前半のタイムを刻み、じりじりと、しかし確実に2番手のモルビデリを引き離す。9周目を終えるころには、マルケスとモルビデリとの差は1秒以上に開いていた。
後方から追い上げてきたのはリンスで、9番手スタートのリンスは7周目にはファステストラップを叩き出し、5番手にまでポジションを上げている。
11周目、2番手争いが動いた。クアルタラロが6コーナーのブレーキングでモルビデリをオーバーテイク。2番手に浮上する。クアルタラロはモルビデリを交わしたあとペースを上げ、マルケスを追う。3番手に後退したモルビデリはさらに4番手のビニャーレス、5番手のリンスに迫られる苦しい展開だ。
マルケスを追っていたクアルタラロだったが、14周目、突然のスローダウン。マシントラブルにより失速する。クアルタラロはピットに戻ると、そのままリタイア。ポールポジションを獲得し、表彰台圏内を走行中だっただけに、苦いリタイアとなってしまった。
代わって2番手に浮上したのはリンスだ。トップのマルケスと2番手のリンスは1分38秒前半の接近したラップタイムを刻みながら周回を重ねる。残り8周時点で、その差は約4秒。しかし、ふたりのラップタイムはほぼ同じ。その差はなかなか縮まらない。
その後方ではビニャーレスとドヴィツィオーゾによる3番手争いが繰り広げられていた。ビニャーレスの背後にぴたりとつけるドヴィツィオーゾ。コーナーごとに差がぐっと詰まる。
一方、マルケスは最後までレースリーダーの座を守り切り、トップでチェッカーを受けた。マルケスは15周目には1分38秒051を記録。これは、それまでのファステストラップのレコードタイムを更新するものとなった。
2位は、最終的にマルケスとの差を1.654秒まで詰めたリンス。9番グリッドから追い上げ、前戦アメリカズGPでの優勝に続く表彰台を獲得した。3位はビニャーレスが守り切り、今季自身初の表彰台を手にした。
2番手スタートのモルビデリは中盤以降に徐々に後退して7位フィニッシュ。バレンティーノ・ロッシ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)は、5列目13番グリッドから6位まで追い上げた。中上は序盤にポジションを落としながらも、トップ10圏内の9位でチェッカーを受けている。
この結果により、マルケスがチャンピオンシップのポイントランキングトップに返り咲き。リンスが1ポイント差で2番手につけ、4番手のロッシまでが9ポイント差となっている。