4月から一部施行された働き方改革関連法案で、残業規制が本格的にスタートした。働く時間が減り、プライベートを過ごす時間が増えるという点で、働き手にメリットのある法案に思えるが、実際はどうなのだろうか?企業口コミサイト「キャリコネ」に寄せられた口コミを見てみよう。【参照元:キャリコネ】
残業することが前提の給料「残業が減れば手取りが当然減る」
「基本給は余り高くなく、残業で稼いで庶民の水準まで持って行くスタイルです。働き方改革の影響でどうなるか非常に心配しております」(機械設計 30代後半男性 正社員年収600万円)
「給与は残業をすることが前提になっています。残業で毎月の手取りを増やしていくイメージです。働き方改革で残業が減れば手取りが当然減るので、生活は苦しくなると思われます」(その他 30代後半男性 正社員 年収580万円)
これまで「残業代で稼いできた人」にとって、残業規制は悩みの種になっているようだ。もともとの基本給が少なく、残業をすることで月々の手取りを増やしていた人々は多いだろう。
こうした「残業代ありきの労働者」にとって、「残業ができない=残業代カット」という状況は死活問題だ。給料に対する不安の声が挙がるのも無理はない。
「高卒は10万円行くか行かないか」残業代カットで年収は「下がる一方」
では、働き方改革の影響で、実際に給料が減ってしまった声を見てみよう。
「働き方改革などで来期から1日9時間労働になりそう。若手は単純に時間外手当が減るので額面で50万円以上の減収。労働時間が増え給料が減る意味不明な方針。高卒は手取り10万円行くか行かないかの酷いものになる」(営業 40代前半男性 正社員 年収700万円)
「働き方改革を推進しており、労働時間を削減するのは良いが、平行して報酬改革が行われないため、非管理職の年収は単に残業代が削減されるだけのため、下がる一方」(その他 40代前半男性 正社員 年収800万円)
「働き方改革と名付けて取り組んではいましたが一時的であり、結局は各個人にノートパソコンを付与され残業代をカットする方法でした。家へ帰ってからの作業で埋め合わせる形となっていました」(代理店営業、20代後半、男性、正社員、年収500万円)
「昔は残業が青天井に近く、残業代で年収水準を確保できたが、近時の働き方改革の影響で残業が難しくなり、結果として年収は下がっている」(法人営業、30代前半、男性、正社員、年収800万円)
「額面で50万円以上の減収」、高卒採用者は「手取り10万円に届かない」など、残業規制によって大幅に給料が減ってしまった実体験が寄せられた。また、会社に残って作業できない分を自宅で補うなど、実際は労働時間が減っていないケースもあった。
残業がなくなり早く仕事が終われば、確かに早く帰れるだろう。しかしいくら早く帰れたとしても、いくらプライベートの時間ができたとしても、収入が大幅に減ってしまっては財布の紐も堅くなる。
趣味や旅行を楽しむにもお金はかかる。残業規制自体は良い取り組みだが、社員の大幅な収入減に対しては企業も対策を講じるべきだろう。基本給の底上げ、残業削減を達成した社員や部署への利益還元など、具体的な収入保障が必要だろう。【参照元:キャリコネ】