「結婚しても正社員で働いてね」と彼氏に言われたら、どうでしょう。つまりは、妻にパート以上の収入を得て欲しいのです。女性の平均年収は国税庁の統計によると、中小企業規模で258万円なので、低く見積もっても年収250万円前後を希望でしょうか。しかしこれを維持するには「本人の頑張りだけじゃ無理」な部分も。彼がどの程度分かっているかが問題です。
ガールズちゃんねるに4月、「正社員で共働き希望の男性に魅力感じますか?」とのトピックが立ち、賛否両論で沸きました。3000以上のレスが入り、注目度の高さがうかがえます。(文:篠原みつき)
「保育園の空きが見つからなかったら仕事辞めなきゃならない」
スレッドのコメントは「最初からその気満々は無理。専業主婦になりたいとまでは言わないけれど、こっちの収入当てにされてもね」といった否定が代表的です。現実として共働き前提は仕方ないとしても、
「例えば保育園の空きが見つからなかったら仕事辞めなきゃならない。そしたらまた正社員探すの? その探してる間誰が子ども見るんだろうね」
「始めから絶対に正社員とか言われても、 じゃーあなた、子どもが出来て、会社早退するのはあなたの役ね!って言ってあげたいわ。甲斐性の無い男なんかいらない!」
など、自分がプロポーズされたかのような怒りが噴出しました。
妻が正社員を維持するには、いくつものハードルがあります。子どもが欲しいなら産休・育休が整っていて上司が理解ある会社で働くこと、保活で預け先を確保すること、何より大事なのは夫の協力体制です。妻がバリバリ働きたくても夫は構わず残業三昧、家事も育児も妻まかせ、ではお話になりません。
スレッドには、思い出したように「こんな男はいやだ、エピソード」も入っています。
「自分の母親も正社員で働いてたから働いて子供育ててほしいって言われたよ。 (中略)全てこちら任せにしてきそうだから別れました」
「私が正社員で働かないと心配になるって言われた。 え? 私が心配なんですけど。別れました。彼と結婚しないでよかった」
友人が正社員妻希望の転勤族と結婚しパートになったと書く人は、友人が悪阻が酷くて働けず家でぐったりしていたら、帰宅した夫に「家事もろくにできないなら働きに行けば?」と言われたことを明かしました。「こんな夫は絶対嫌だなと思ったよ」とのこと、筆者も激しく同感です。そもそも妻の失職原因は夫の転勤なのに、分かっていないのでしょうか。
妻が安定した収入で働くことは、リスク分散のためにもできるに越したことはありません。仕事が好きでやりがいを持って働く女性もたくさんいます。けれど妊娠・出産前後に仕事を続けられるかは、残念ながら周囲の環境に左右されるのが現実です。それを条件にされてもモヤモヤしてしまうでしょう。
「男性に求めすぎ」「自分の収入が無くなるほうがイヤ」という声も
一方で、共働きを当然とする人からは、「逆に専業主婦になれと言われるほうが困る」「自分の収入が無くなるほうがイヤ」というコメントも目立ちます。
「みんなすごい男性に求めてるんだね。 わたしは共働きが当たり前だと思ってたから、何も気にしたことなかったわ。 家事も育児も自然と分担してるけどね」
といった声もあるように、今の20代30代は男性も家事育児の分担を当然とする人が、昔より増えているようです。
2010年以降、出産後も仕事を継続した人は半数を超えています。(第15回出生動向基本調査「子どもの出生年別にみた、出産前後の妻の就業変化」より)少しずつですが、世の中は変化しているのでしょう。
自分が経済的に自立していればいるほど、相手を「生活維持のための協力者」ではなく「ただ好きだから一緒にいたい人」にしていけます。それが、男女とも共通になってきたのかもしれません。だからこそ雇用の安定は婚姻率に直結する、と思ったことでした。