2019年スーパーGT第2戦、ゴールデンウイーク恒例の500km戦が5月3日に快晴の富士スピードウェイで開幕。青空が広がり終始ドライ路面となった公式練習では、スーパーGT GT500クラスでMOTUL AUTECH GT-Rがトップタイムを記録。GT300クラスはARTA NSX GT3が最速と、第1戦岡山での両クラス・ポールシッターが好調を維持した。
2019年シーズン、雨がらみの開幕戦となった岡山国際サーキットが度重なるアクシデントや天候不良で決勝途中終了となっていただけに、この富士スピードウェイでの1戦は両クラスともにライバル勢との勢力関係が見極められる1戦と言える。
例年どおり500kmの長丁場となる1戦に向け、各陣営は持ち込んだドライタイヤ8セット(ブリヂストン以外は+1セット)のソフト、ハードコンパウンドの特性やロングランでのライフの見極め、そして予選に向けたタイヤ選択とセットアップ確認など多くのメニューをこなすこととなった。
午前8時50分のセッション開始時点で気温は20度、路面温度も29度と絶好のコンディションが整い、GT500、GT300とも各車が一斉にコースイン。ピットロード1コーナー側のレクサス勢では、WAKO’S 4CR LC500、DENSO KOBELCO SARD LC500が、ホンダ勢ではARTA NSX-GT、KEIHIN NSX-GTらがそのまま連続周回に入っていく。
開始10分を回ったところでGT500クラスはWAKO'S LC500の大嶋和也が1分29秒118で首位に立ち、ARTA NSX-GT伊沢拓也、KEIHIN NSX-GTのベルトラン・バゲットとNSX-GT勢が続くオーダーに。一方のGT300クラスは開幕戦でも速さをみせたブリヂストン装着のARTA NSX GT3、高木真一が1分36秒942と、BMW M6からNSX GT3へマシンをスイッチしながらも、この富士スピードウェイで4連勝、最多ポール記録保持者のマイスターぶりをみせつける。
その後、GT500クラスを戦うMOTUL AUTECH GT-Rのロニー・クインタレッリも1分29秒台前半を連続してマークし1分29秒110で首位に浮上すると、37号車KeePer TOM'S LC500の平川亮もスピードトラップでこの日最初の300km/h台となる300.836km/hの最高速を記録し4番手に上がってくる。
セッション30分経過を目前に、ここまでクラス中盤の順位で周回を重ねていたカルソニック IMPUL GT-Rの佐々木大樹が自身11周目の周回で1分28秒560をマーク。その直前にはWAKO'S LC500、そしてZENT CERUMO LC500の立川祐路も1分28秒台に入ってくる。
一方の300クラスは首位の55号車ARTA NSX GT3を先頭に、11号車GAINER TANAX GT-R、SUBARU BRZ R&D SPORT、シンティアム・アップル・ロータス、グッドスマイル 初音ミク AMGと、GT3、JAF-GT、そしてマザーシャシー、そして各タイヤメーカーがトップ5に入り乱れる状況に。
その後は各陣営とも順調に周回を重ねていき、9時40分を前にGT500クラスは36号車au TOM’S LC500の関口雄飛が連続で自己ベストを更新し、17周目に1分28秒983を記録し3番手にジャンプアップ。ニッサン勢では平手晃平のCRAFTSPORT MOTUL GT-Rが1分29秒111で6番手に浮上。これを境に、各チームともドライバー交代を行ってのテストメニュー消化が続いていく。
10時目前のピットロードでは松田次生のMOTUL GT-Rがピットロード出口手前でストップするも、すぐさま息を吹き返し、そのままコースへと飛び出していく一幕も。
それ以外にトラブルらしいトラブルもなく、GT500上位勢は首位カルソニック IMPUL GT-Rから3台のレクサス勢ともに1分30秒台で周回を重ね、au LC500の助っ人ルーキー宮田莉朋も1分30~31秒台で20周近くの連続走行を重ね、順調にLC500の習熟を進めた。
10時15分から10分間のGT300クラス占有走行も、予選シミュレーションを経てなお上位勢に大きな変動なく、ARTA NSX GT3、ARTA NSX GT3、SUBARU BRZ R&D SPORTのトップ3に。
前戦でのクラッシュから復帰を果たした25号車HOPPY 86 MCは37周を走行して10番手、同じく7号車D’station Vantage GT3、10号車GAINER TANAX triple a GT-Rもそれぞれ41周、38周を周回。デビュー2戦目となるMcLaren 720Sも33周を走破して18番手でセッションを終えている。
一方、GT500クラスの占有走行では多くのマシンが自己ベストを更新し、松田次生がセクター1最速を更新し1分28秒152のトップタイムを記録。同じくニック・キャシディのKeePer TOM'S LC500もS1最速の周回で1分28秒524をマークし、平手晃平のCRAFTSPORT MOTUL GT-Rに続く3番手へ飛び込むも、チェッカーと同時に石浦宏明が1分28秒153で2番手にジャンプアップし、ミシュランを履くGT-Rの1-2を阻止している。
このあとも快晴予報で気温上昇のありそうな富士スピードウェイでは、午後14時30分からノックアウト方式での公式予選セッションが行われる。