5月2日、ベルギーのオールドコース、スパ・フランコルシャンでWEC世界耐久選手権第7戦スパ・フランコルシャンが開幕した。走行初日はフリープラクティス1回目と2回目が行われ、ドライコンディション下で実施されたFP1はSMPレーシングの17号車BRエンジニアリングBR1・AER(ステファン・サラザン/イゴール・オルジェフ/セルゲイ・シロトキン組)がトップタイムをマーク。ウエット路面で行われたFP2ではTOYOTA GAZOO Racingの8号車トヨタTS050ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/フェルナンド・アロンソ組)が最速ラップを記録している。
2018年5月に行われた開幕戦スパから2019年6月のル・マン24時間までの全8戦を約13カ月間で戦うWEC“スーパーシーズン”は開幕からちょうど1年を迎え、シリーズ終盤戦の第7戦として再びスパに戻ってきた。
そのスパラウンド最初のセッションで速さをみせたのはロシアのLMP1プライベーター、SMPレーシングだ。今週末、スパとル・マンの欠場を決めたジェンソン・バトンの後任ドライバーとして元マクラーレン・ホンダF1ドライバーのストフェル・バンドーンを11号車BRエンジニアリングBR1・AERに加えたチームは、現地時間12時から行われたFP1で17号車BR1、11号車BR1が揃って好タイムをマーク。
前戦セブリングからチームに加わったセルゲイ・シロトキン駆る17号車が1分56秒264を記録してトップにたつと、今戦がWECデビュー戦となるバンドーンも1分58秒236で続き、セッションワン・ツーを奪った。今シーズン、LMP1プライベーターが公式セッションでトップタイムを記録したのはこれだ3回目だ。
総合3、4番手はローダウンフォース仕様のエアロキットを投入してきたトヨタの8号車と7号車トヨタTS050ハイブリッド。タイムはいずれも1分58秒後半とトップから2秒以上遅れている。なお、トップ2のSMPレーシングは今回、ハイダウンフォース仕様を持ち込んでおり、トヨタはストレート区間の多いセクター1、セクター3でこれを上回るものの、コーナーが連続するセクター2で2~3秒遅れをとっている状態だ。
また総合5、6番手となったレベリオン・レーシングも今週末からローダウンフォース仕様を採用。こちらは3号車レベリオンR13・ギブソンが1分59秒106、1号車R13は2分00秒435をマークした。
LMP2クラスはニコラス・ラピエールがドライブしたシグナテック・アルピーヌ・マットームと36号車アルピーヌA470・ギブソンが2分03秒441でトップ。これにELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズ王者のGドライブ・レーシング、26号車アウルス01・ギブソンが僅差で続いている。
LM-GTEプロクラスは2分15秒290を記録したアストンマーティン・レーシングの97号車アストンマーティン・バンテージAMRがクラストップに。LM-GTEアマクラスではガルフ・レーシングの86号車ポルシェ911 RSRが2分17秒068というタイムでクラス最速となっている。
■レインコンディションでは四駆のトヨタが本領発揮
16時25分から行われたFP2は雨の影響でウエット路面での走行となった。FP1をトップで終えた17号車BR1がクラッシュを喫するなど、合計3回の赤旗中断がみられたこのセッションでは、8号車トヨタTS050ハイブリッドのアロンソが2分19秒483というタイムで首位に。
総合2番手にはマイク・コンウェイ駆る7号車トヨタが2分20秒865で続き、TOYOTA GAZOO Racingがワン・ツー。これに続いたのはビタリー・ペトロフがドライブした11号車BR1でタイムは2分21秒429だった。
総合4番手以下は1号車レベリオンと3号車リベリオン、エンジンをニッサンからギブソンにスイッチしたバイコレス・レーシング・チームの4号車ENSO CLM P1/01・ギブソンだ。
LMP2クラスはパストール・マルドナド操るドラゴンスピードの31号車オレカ07・ギブソンが、クラス2番手となったTDSレーシングの28号車オレカ07・ギブソンを大きく突き放す2分27秒682でクラストップに。
LM-GTEプロクラスではアストンマーティン・レーシングの95号車アストンマーティン・バンテージAMRがトップタイムをマークすると、僅差でポルシェGTチームの91号車ポルシェ911 RSR、97号車アストンマーティンが続いている。
GTEアマクラスはデンプシー・プロトン・レーシングの77号車ポルシェ911 RSRが速さをみせ、プロクラスのフォードGTやBMW M8を上回る2分34秒093をマークしてクラストップに立っている。
WECスーパーシーズン第7戦スパの公式予選は3日15時から行われる予定だ。