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関ジャニ∞、Sexy Zone、King & Prince…ジャニーズグループの現在地示す3~4月リリース

2019年05月03日 08:11  リアルサウンド

リアルサウンド

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 3~4月の間にリリースされたジャニーズグループの作品は、アルバム2枚にシングル3枚。平成の終わりを目前としつつもまだまだ2019年は始まって数カ月、すでに豊作と言って過言ではないだろう。そんな平成の終わりを華々しく彩ったジャニーズグループのリリース作を、一気にチェックしてみよう。


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■関ジャニ∞『crystal』
 錦戸亮が主演を務めた、ドラマ『トレース~科捜研の男~』(フジテレビ系)の主題歌としても注目を集めていた関ジャニ∞の最新曲「crystal」。


 イントロから爽快感溢れる打ち込みが印象的なテクノサウンドが徹底されているが、聴き進める程打ち込みのサウンドの中から、バンドの生音がその存在感を示していく展開が圧巻だ。メインボーカルを務める錦戸と安田章大の歌声にも、大サビに向けて熱が宿っていく。その展開の美しさは、楽曲の歌詞の中で描き出される、“希望”の象徴としての〈crystal〉とリンクしているようだ。


 硬質なデジタルサウンドがバンドサウンドと絶妙なマリアージュを遂げた瞬間、crystal=水晶が乱反射を起こすように、大サビで大きなカタルシスが生まれる。


 ドラマのエンディング曲としてもシリアスな展開の合間に一服の清涼剤として存在感を現す、“最新型の関ジャニ∞”を等身大で表現した1曲だ。


■Sexy Zone『PAGES』
 前回のアルバムから約1年。待望のリリースとなったSexy Zoneの最新アルバム『PAGES』は、今までの彼らがアイドルとして歩んできた“物語”の1ページ1ページを追体験できるような作品。アイドルらしいポップス/ラブソングだけでなく、より大人っぽいシティポップやロック調のパワフルな応援歌など、毎日の生活のどんなシーンで耳にしても気持ちにフィットするような楽曲が、シングル3曲を含め全16曲収録されている。


 メンバーの歌声も格段に色気を増し、まさに“Sexy”の名に相応しい仕上がり。さらにそれぞれのソロパートでは個性も抜群に引き出され、“少年から青年へ”変身を遂げた現在のSexy Zoneの姿が遺憾なく発揮されている。


 楽曲の中に綴られた“物語”はSexy Zoneの歩みの1ページでありながら、リスナーの人生という物語の1ページともリンクする。そんな、情感豊かで大人っぽい1枚だ。


■King & Prince『君を待ってる』
 前作『Memorial』以来約6カ月ぶりのリリースとなった待望の今作『君を待ってる』表題曲は、King & Prince流の前向きなメッセージソング。ホーンセクションを駆使したキラキラのポップサウンドは今までのKing & Princeの“王道アイドル”イメージを踏襲したものだが、絵本のワンシーンのような情景が浮かぶ歌詞、そしてそこに込められたメッセージ性の高さにグループとしての成長すら見いだせる楽曲となっている。


 〈世界を変えよう!/切り開け輝く未来 きっと君を待ってる〉というフレーズからは、これから迎える新しい元号=新しい時代を背負って立つアイドルとなるであろうKing & Princeの決意すら感じられるよう。これからの時代をしっかりと見つめながらも、地道な歩みを忘れない彼ららしい、キラキラの応援歌だ。


■Kis-My-Ft2『FREE HUGS!』
 様々なアーティストとのコラボレーション楽曲が、リリース前から話題を集めていたKis-My-Ft2の最新アルバム『FREE HUGS!』。チルな洋楽風サウンドからドープなヒップホップまでバリエーションに富んだ作風が楽しい今作だが、最近のKis-My-Ft2がリリースしてきた作品群の流れはしっかりと踏襲しているのが印象深い。それは、“愛”という1つのメッセージ。


 『L.O.V.E』や『君を大好きだ』で示してきた様々な愛の形を、より深く広く掘り下げたようなメッセージ性の高い楽曲が多いのが今作。タイトルの『FREE HUGS!』には、ファンやリスナーはもちろん、より多くの人たちへ“愛”を行動にして伝えようという心意気が感じられる。


 特に最後の1曲を飾る、Mrs.GREEN APPLEの大森元貴(Vo/Gt)が手掛ける「ルラルララ」には息を呑む。アルバム全体を包み込む、大きな愛の手のひらのような優しく壮大な楽曲になっている。様々な“愛”の形を、Kis-My-Ft2ならではの形で表現した意欲作だ。


■ジャニーズWEST『アメノチハレ』
 メンバーの小瀧望が出演する、ドラマ『白衣の戦士!』(日本テレビ系)の主題歌にもなっているジャニーズWESTの最新曲「アメノチハレ」。今作は、ジャニーズWEST史上最もメッセージ性が高く、真っ直ぐなエールを感じられる楽曲になっている。


 ストリングスが印象的なサウンドに、メンバーの歌唱力が存分に感じられるボーカル。フェイクやハミングなども多用され、歌詞の力強さだけでなく、メンバーのボーカリストとしての成長も存分に感じられる楽曲になっているのだ。


〈真っ直ぐに 見つめてあげよう/弱いその気持ち 向き合って気づく強さ〉


 素直で優しい歌詞は、中条あやみが演じる主人公・はるかや、小瀧演じる斎藤のドラマの中での奮闘ぶりとも重なる。ドラマともども、毎日一生懸命働く人たちのひとときの癒しとなり、そっと背中を押してくれるような楽曲だ。


 個性豊かで楽曲のバリエーションも豊富な、3~4月リリースのジャニーズ作品。各グループの等身大の現在位置が示されながらも、華やかで楽しい、アイドルらしい作品ばかりだ。(五十嵐文章)