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『向かいのバズる家族』内田理央が語る、ネットの世界 「みんなに知られる怖さはあまりない」

2019年05月02日 10:01  リアルサウンド

リアルサウンド

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 内田理央が主演を務めるドラマ『向かいのバズる家族』(読売テレビ・日本テレビ系)が毎週木曜23時59分より放送中だ。


参考:「今はもうちょっと考えて発言しています」


 本作は、SNSをめぐる家族の崩壊と再生を描く、新しい形の家族ドラマ。誰にでも身近なものとなったSNSに今一度疑問を投げかける作品となっている。クレームをつけた客に謝罪する動画がきっかけで“バズる”ことになり、突然“インフルエンサー”への坂道を登っていくカフェの店長である主人公・篝(かがり)あかりを内田、あかりの母・緋奈子を高岡早紀、父・篤史をTKO木下隆行、あかりの弟・薪人を新人俳優の那智、あかりが唯一心を許せる祖父・清史を小野武彦がそれぞれ演じる。


 内田が演じる主人公あかりは、真面目で周囲からの評判も良いが、もう一つの人格を持つという二面性ある女性だ。なまはげの仮面をつけて踊る「なまはげチョップ」など毎話披露される謎のパフォーマンスや本作の見どころ、SNSについてまで、内田に話を聞いた。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】


「家族のシーンの撮影は毎回楽しみ」


ーー『向かいのバズる家族』はホラーらしい場面もあったかと思えば、コメディのような演出もあったりと独特な作風です。


内田理央(以下、内田):そうなんです! 最初、台本をいただいた時もコメディらしい内容だったのですが、監督やプロデューサーからもコメディというよりはリアリティのあるお芝居をしてほしいと言われたので、私も大きく誇張したりしないようにお芝居をさせていただきました。『向かいのバズる家族』は“ラブホラーサスペンス”で、いろんな要素が全部盛りです(笑)。第2話でもインド映画風の場面があったんですが、リアリティのあるお芝居をやっている中にあの場面があるのが斬新だなと思いました(笑)。


ーー本作での内田さんの演技の見どころは?


内田:視聴者の方にはあんまりシリアスになりすぎずに、面白おかしくぜひツッコみながら観てほしいです(笑)。本作のプロデューサーは、以前『恋がヘタでも生きています』(読売テレビ・日本テレビ系)というドラマでもご一緒させていただいた方なんですが、「あの時より全然楽しそうにやってるね」と言ってくださって、それがすごく嬉しかったです。


ーー内田さんは、第1話ではなまはげの仮面をつけたダンス「なまはげチョップ」、第2話でもインドミュージカルなど、演技だけでなく、ダンスも披露しています。


内田:ダンスと歌は今までなるべくやりたくなくて(笑)。ただ、今回は企画もすごく面白かったので、チャレンジしてみました。


ーー実際にやってみて、いかがでしたか?


内田:楽しいけど、覚えるのがやっぱり難しくて……。ただ、監督からも「『なまはげチョップ』は一般人があげている動画だから上手かったら困る。微妙なクオリティがいい」と言われていたんです。だから私もいい意味で、リラックスしてできました。


ーー本作は、家族も大きなテーマです。高岡さん、TKOの木下さん、那智さん演じる家族の皆さんとの撮影はいかがですか?


内田:家族のシーンを撮る時が現場で一番緊張感があるんですが、一度カットがかかると賑やかでみんなでずっと喋っています(笑)。高岡さんはすごく皆さんにツッコんでくれて、木下さんも「これできるか~」っていって手品を見せてくれたりします(笑)。弟の那智くんは、うちの事務所の後輩なんですが、みんなからかわいがられていて。とにかく個性的なキャストの皆さんで、家族のシーンの撮影は毎回楽しみですね。


ーーSNSでバズる主人公・あかりと、内田さん自身の役者・タレントという職業は、あらゆる人から一挙手一投足を注目されるという意味で似ている部分もあるかと思います。


内田:私は、自分の隠したい趣味とかなくて、どちらかといえば知ってほしい! って思うタイプなんですよ。だから、バズることでみんなに知られるという怖さはあまりないです。でも、自分が無意識だった行動が、悪い意味で捉えられて、その部分だけ切り取られて伝わるということは、こういうお仕事をしていたら多々あることなので、気持ちはわかります。


ーー内田さんはTwitterでもハーレムアニメや触手の魅力など自身の趣味を話す機会がほしいというツイートもされていましたが、芸能生活を始める前からずっと自分の好きなものをオープンにしていたんですか?


内田:もともとは隠していたんですが、ふとした拍子に言うようになったら、やっぱり何人かわかってくれる方がいて、それが嬉しかったんです。でも、見てくれる人数が増えれば増えるほど、そうじゃない人も出てくる。例えば、一つ描いた絵を投稿したら「病んでる」って心配されたり深い考察をされてしまったりとか(笑)。今はもうちょっと考えて発言しています。


ーー本作でもSNS、ネットならではのトラブルが多く起きます。


内田:ネットの世界のバズの怖さとか楽しさは、皆さんもう十分知っていると思うけど、「ネットだから」「匿名だから」という理由で言及したり、攻撃したりすることによって人生が崩れてしまう人もいるということは常に感じていてほしいです。本作でも、私が演じたカフェ店員であるあかりはバズって、あかりにクレームを言ったおじさんは勤めている会社を辞めることにまでなります。別におじさんが悪いわけじゃないのに、あんなことになるというのはネットならではですよね。ドラマを観ていたら、「おじさん、かわいそう」って思うじゃないですか? でもネットの世界だけ見ていたらきっと気づかない。そのギャップに、いい意味でモヤモヤしてくれたらと思います。


ーー今後の展開も楽しみです。


内田:内田:私も台本を読んでいて「あ、こうきたか!」と思うことも多いんです。家族もバズって、恋愛もうまくいって……。そこからやっぱり落ちる時が来るので、その時にどう事が転がるか楽しみにしていてほしいです。


(取材・文=島田怜於/写真=宮川翔)