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『メイプルストーリーM』をPC版『メイプル』初期ランカーがプレイして見えた“良い点と悪い点”

2019年04月29日 10:11  リアルサウンド

リアルサウンド

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 読者のみなさんは『メイプルストーリー』というゲームを知っているだろうか。2003年にスタートし、オンラインゲーム界隈では有名なMMORPGだ。


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 筆者は2003年のオープンβから参加し、もみじサーバーの初期ユーザーとして、一時期はLVを上げまくった結果、ランカー(公式サイトのランキングに載ったユーザー)の端くれにもなったほどだった。そこからペースは落としつつ、2007年に引退してしまったが、このゲームの楽しさは十二分に知っているという自負がある。


 そんな自負があるものだから、『メイプルストーリーM』なるアプリがリリースされたと聞き、一時は敬遠していたものの、ついに手を出してしまった。スマートフォンゲームとして、あの頃の面白さが蘇っているはずはない、なぜなら……と期待してプレイしてみたが、良くも悪くも予想を裏切られる結果となった。なお、IDは後発のため当時のものが取得できなかった。


 まずは良かった点について。このゲームは一定のレベルまではクエストをひたすらこなす“作業時間”があったうえで、転職やスキル振りをしっかりやっておけば、あまり困ることはないはずだが、その作業時間がとにかく長いのがPC版の特徴だった。しかし今回はオート操作・オートクエスト機能が搭載されているため、合間の会話だけ気をつけてあげれば、素材集めや討伐などのクエストを自動でこなしてくれるというわけだ。そういった意味で作業ゲー感を拭ってくれたのはプラスに捉えたい。また、基本的なゲームの舞台はPC版と変わっていないため、PC版メイプルユーザーは「ヘネシスの狩場横で集会をしていたな……」とか「『コブシを開いて立て』ってキャラクター名そのままなんだな……」と思いながらプレイするのも面白い。


 レベル上げに関しても、キャンペーンなどの期間でもらえるプレゼントを使えば、PC版でいう「サクサクチケット」(経験値2倍)に関するアイテムが課金なしで手に入るといった点も魅力的。サクチケに合わせて生活リズムを整え、有効時間の間はいかに効率よく狩りをするか、と追求していたころを遠い目で懐かしんでしまう。


 一方で、悪いと感じた点についても述べておく。筆者が思うこのゲームの醍醐味は、ただレベルを上げて敵を倒すのではなく、ある程度のレベルにし、身なりを整え、共に切磋琢磨するフレンドとの会話を楽しむことだ。実際にPC版ではオンラインで年齢・性別関係なく多くの友人と巡り合い、夜な夜なチャットを楽しんだことで、リアルの場で交流が生まれたり、彼女のようなものができたりと、今後の人生に影響する出来事をたくさん味わうことができた(副産物としてタイピングもめちゃくちゃ早くなった)。


 だが、『メイプルストーリーM』にはその交流を加速させるフレンドチャット機能(友人間にのみ表示されるチャット機能。通称:友チャ、フレチャ)が搭載されていない。チャット機能に関しては、全チャや拡声器でよくわからないことを吠える人たちを眺めるか、グループクエストの募集を眺めるしかないという由々しき事態。ユーザー同士の交流加速のために、一刻も早く友チャを実装すべきだと物申しておきたい。


 ということで、戦闘面での機能としては申し分ないが、MMORPGとしてはPC版と比べて他ユーザーとのコミュニケーション機能にかけると感じた『メイプルストーリーM』。アップデートを楽しみにしつつ、今後もプレイを通して新たな発見を伝えていきたい。


(中村拓海)