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WRCアルゼンチン:トヨタ、最終ステージで表彰台逃す。ヒュンダイがワン・ツーで2勝目

2019年04月29日 01:21  AUTOSPORT web

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最終SSで逆転を許したクリス・ミークのトヨタ・ヤリスWRC
2019年のWRC世界ラリー選手権は4月28日、第5戦アルゼンチンのSS16~18が行われ、SS8で総合首位に浮上したティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)が逃げ切り優勝。前戦の第4戦ツール・ド・コルスに続くシーズン2勝目を挙げた。

 トヨタ勢はクリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)が総合3番手で最終ステージに臨んだが、1.4秒差でポジションを守りきれず。トヨタ移籍後初の表彰台獲得はならなかった。

 南米アルゼンチンの渓谷や山岳地帯を舞台に争われるグラベル(未舗装路)イベントのラリー・アルゼンティーナ。2018年はトヨタのオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)がチーム移籍後、初優勝を遂げたイベントでもある。

 競技2日目の26日(金)に行われたSS8で総合首位に浮上したヌービルは着実にリードを拡大。最終ステージ直前のSS17を終えた時点で40.2秒の大量リードを築いてみせる。

 16.43kmで争われた最終SS18でも危なげない走りを披露したヌービルは、ステージ3位タイムを記録。最終的にリードを48.4秒として、3月末に行われたツール・ド・コルスに続いて2連勝を遂げた。

 最終ステージ走行直後、ヌービルは「最高のクルマだった。この週末、つねに快適なドライブができたよ。これはチームが懸命に作業してくれたおかげだよ」と喜びを語っている。

 ヌービルに続く総合2位はアンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)が獲得し、ヒュンダイ陣営がワン・ツーフィニッシュを飾ってみせた。

 2019年シーズンからトヨタに加わったミークはミケルセンと11.5秒差、後方のセバスチャン・オジエ(シトロエンC3 WRC)とは4秒差の総合3番手で最終日をスタートする予定だったが、前日に行われたSS11で指定されたルートを逸脱した箇所があったと指摘され10秒のタイムペナルティを受けてしまう。

 これで総合5番手まで後退したミークだったが、SS16ではステージ2位以下を4.3秒突き放してトップタイムを記録。総合4番手オジエに0.5秒差まで詰め寄ると、続くSS17で逆転し、5.2秒差の総合3番手に浮上する。

 しかし、最終SS18で「タイヤがスローパンクチャーした。どうしようもなかった」というミークはペースを上げられずに後退。1.4秒差でオジエに逆転を許し、トヨタ移籍後初、自身にとっては2018年3月のラリー・メキシコ以来の表彰台に手が届かなかった。

 前日、オルタネータートラブルでデイリタイアを余儀なくされたオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)は、ミークと同じくコース逸脱で10秒ペナルティを与えられたこともあり、総合8位。ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)はSS17~18でステージ2位に食い込むなど速さをみせ、総合5位でフィニッシュしている。

 ドライバーズランキングでは優勝したヌービルがパワーステージのボーナスと合わせて28ポイントを獲得。110ポイントまで得点を伸ばしている。

 ランキング2位は最終ステージで逆転表彰台を手にしたオジエで100ポイント。ランキング3位は82ポイントのタナク、4位は54ポイントのミークがつけている。

 マニュファクチャラーランキングでは、2台を表彰台に送り込んだヒュンダイが157ポイント、37ポイント差の2位にトヨタ、40ポイント差の3位にシトロエンが続いている。Mスポーツ・フォードは78ポイントで4位だ。

 2019年のWRC第6戦は5月10~12日に行われるラリー・チリ。この2019年シーズンから初めてWRCに組み込まれた1戦で、全ドライバーにとって新たな挑戦となる。

 また、ラリー・アルゼンティーナとラリー・チリは“リンクド・ラリー”に定義されており、ワークスチームのドライバーはラリー・アルゼンティーナで使ったシャシー、エンジン、サスペンションのままラリー・チリに臨まなくてはならない。