2019年のWRC世界ラリー選手権第5戦アルゼンチンは4月27日、SS9~15が行われ、ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)が総合首位をキープした。トヨタ勢では総合2番手を走っていたオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)がオルタネータートラブルでデイリタイアとなり、クリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)の総合3番手が最上位となった。
■トヨタ
●オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)/デイ3総合9番手
「朝は良いスタートを切ることができた。今日の路面は昨日と大きく異なり、とてもスムーズで所々かなり高速だった。ただし、まだ滑りやすい所もあり、グリップは安定しなかったよ」
「午後のステージでは思いきり攻めて走ろうと楽しみにしていたけど、最初のステージで既にバッテリーの電圧低下に気づき、2本目のステージでリタイアを余儀なくされた」
「もちろん、とても残念だ。パフォーマンスに関しては、今やどんなラリーでも勝てるレベルにあると思うけど、やらなければならないことも残っている」
「明日は自分たちができることをやるよ。そして、まだシーズンは先が長いので、これからも攻め続ける」
●ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)/デイ3総合6番手
「今朝は満足のいく走りができた。過去2年、僕はあのエリア(プニラ渓谷)のステージを走っておらず、一部は完全に新しいステージだったが、楽しんで走ることができた」
「2回目の走行ではさらに改善できると分かっていたから、自信を持って午後の再走ステージに臨んだよ。最初の2本はうまくいったけど、3本目でウォータースプラッシュを通過した際、エンジン内部に水が入ってしまったんだ。しかし、何とか再スタートを切ることができた」
「その後ミスをしたこともあり、最終的には5、6秒を失い、それが5位争いに響いた。とはいえ明日もまだ戦い続けるし、自分達がどれだけできるのか、様子を見たいと思う」
●クリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)/デイ3総合3番手
午前中は運転を楽しんだ。良いリズムで走れ、スピードも十分にあったよ。そして、表彰台争いをしていたセバスチャン・オジエとのタイム差を縮めることができた」
「しかし、SS11でウォータースプラッシュを通過した後ブレーキに問題が発生し、コーナーで大きく滑ってリヤが当たりタイヤを2本パンクさせてしまったんだ。そのため、直後のスーパーSSでは1本のタイヤの空気が抜けた状態で走らなければならなかった」
「午後は路面がかなり乾き、あのような路面に対するセットアップが完璧ではなかった。オジエとのタイム差は広がったが、バトルはまだ続いているし、明日は激しい戦いの1日となるだろう」
■ヒュンダイ・モータースポーツ
●ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)/デイ3総合首位
「僕たちは非常に強力なポジションにいるが、それでも何事にも油断はできない。今日は素晴らしい出来の1日だった。すべてのステージでマシンの感触は良かったよ」
「順位を守るのが難しいことは分かっていたが、首位の座を維持することができたし、オット(タナク)が不運にもリタイアしたことで、リードを広げることができた」
「僕たちにはマージンがあることが分かっていたから、最終ステージでは岩やパンクを避けつつ、落ち着いて走行することができた。走行中も自信を持つことができ、競争力のあるタイムを出すことができたよ」
「明日は3つの象徴的なステージがある。でも目標ははっきりしている。僕たちは着実な走行をしなければならない」
●アンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)/デイ3総合2番手
「今日のステージの出来には本当に喜んでいるよ。午前中の走行については大きく満足はしていない。最初の2ステージでは苦戦したんだ。マシンのリヤのグリップ不足を感じていたし、スライドせずにプッシュするのが難しかった」
「でもランチタイムサービスでサスペンションに変更を加えたことで、感触が改善したし、優れたパフォーマンスを生み出すことができた。僕たちは着実に正確な走行をし、1日を素晴らしいステージ優勝でフィニッシュすることができたんだ」
●ダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)/デイ3総合5番手
「表彰台を巡る戦いは激しい接戦だ。僕たちのマシン3台ともが強力な順位につけることができて嬉しいよ。最初のステージでは少しタイムを失ったが、戦いに戻ることができた」
「ステージをとても楽しむことができたよ。午前中は掃除役を務めなければならなかったが、それでも挽回することができた。今では僕たちは、ティエリー(ヌービル)とアンドレアス(ミケルセン)が1位と2位を占めるという強力な状況にある。日曜日の3位を賭けた戦いは楽しく面白いものになるだろう」
■Mスポーツ・フォード
●エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)/デイ3デイリタイア
「これまで何年も同じペースノートを使ってきて問題はなかったものの(クラッシュした)あのコーナーにたどり着いたとき、ほんの少しだけスピードを出し過ぎている気がした」
「ターンインして、なんとか体勢を整えようとしたけど、オーバーステアを回避できなかった。マシンを正しい姿勢にすることができず、大きな岩にヒットしてしまったんだ」
●テーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)/デイ3総合7番手
「難しい1日だった。僕たちは第一走者で、道路はより滑りやすいコンディションだったから、一番高速なドライバーたちのタイムには太刀打ちできなかった」
「午後にはインターコムが切断されて、マルコ(サルミネン/コドライバー)からのペースノートを聞くことができなかった。それで、彼は確実性が劣るジェスチャーで指示するしかなかったんだ」
■シトロエン・レーシング
●セバスチャン・オジエ(シトロエンC3 WRC)/デイ3総合3番手
「今日は良かったり悪かったりの1日だった。午前中に大きくタイムを落としたから、午後には失うものは何もなかった。だからC3 WRCで激しくプッシュしたよ。よりグリップを得ることができて、それが助けになったようだ」
「夕方には順位がひとつかふたつ上がると予想していた。ラリーの主催者が今朝ゲートで起きたことを見ていたからね。明日の目標は、荒れた路面でのトラブルを避け、できる限りポイントを獲得することだ」