2019年04月27日 09:01 弁護士ドットコム
4月27日から始まったゴールデンウィークの10連休。長期間の休みとなるが、24時間365日営業のコンビニは無事に乗り切れるのだろうか。
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弁護士ドットコムニュースでは、LINE@を通じて、オーナーたちにGWの状況を聞いた。多くのオーナーから「人手が足りない」「連休中は売上が減るのできつい」といった声があがった。
北海道のオーナー(50代)は、「観光立地なので、普段よりもシフトを厚くしないといけない。連休の人手の確保は、綱渡りのようなもので、いつもヒヤヒヤです」と心情を打ち明ける。今回も数週間前から入念にシフトを調整してきたという。
「保育園に子供を預けているパートさんは休まざる得ない。 学生バイトも親の計画で休みを取る人がいる」
時給はあげないものの、クオカードを渡すなどして、シフトに入ってもらいやすくするという。
一方、東海地方のオーナー(40代)は、時給を上げた。しかし、「主婦バイトさんは、家族で出かけるので休みになることが多いです」といい、シフト調整に苦戦したという。
この店では、県外から自身の両親を呼び、手伝ってもらっている。「長期連休後でいいから店休日がほしい」。
岐阜県のオーナー(60代)は何とかシフトの調整にこぎつけた。しかし、心配は尽きないようだ。
「アルバイトは気まぐれ過ぎて、あまり当てにできない。仕事に来るかと思っていると、連絡もないまま休んで、いつも大変な思いをしています。 彼らは休んでもオーナー夫婦が来るからいいと思っているので、罪悪感はほとんどありません」
この店では、時給を上げたり、スタッフの都合に応じてシフトを組んだり、できる限り、働きやすい環境づくりに努めているという。それでも、裏切られることは珍しくない。
「24時間営業という慢性的な人手不足のために、少しでも来て欲しいという私たちの気持ちの足元を見られているように感じる」
福岡のオフィス街のコンビニオーナー(40代)は、「従業員を集めるのは特に大変ではなかった」と話す。出勤できない主婦に代わって、入ってくれる人が見つかったという。
ただし、人が足りている背景には、平日に比べてスタッフを絞れることも関係している。休日のオフィス街は客そのものがかなり少なくなるからだ。「売上は下がるので長期的な休暇は嬉しくない」ともこぼす。
人が集まらず、オーナーが長時間労働になることもある。
「来てくれるお客様もいるので客商売としては仕方がありませんが…。世間が長期休みに入ると工場街、オフィス街は人件費を払っているだけになります。大赤字。夜はやっている意味はありません」(静岡県、50代)
バイトの休みも多く、このオーナーは連日15時間ほど働くことになるという。
神奈川県のオーナー(50代)も帰省するスタッフが多く、人手不足に悩まされているという。一方で、コンビニ用のスタッフ派遣を使うとコストがかさみ、赤字になってしまう。結果として、「連休中は2~3時間しか寝れないと思う」。長期休みはいつもこうだという。
「正月は36時間起きていました。自転車で帰るときフラフラ運転で職質され、事情を説明したら警官が哀れんでいました。とってもくやしかった。オーナーは労働者ですよ」
こうした中、GWの一部でも時短営業ができないかと望むオーナーがいる。しかし、本部の対応について、都内のオーナー(50代)は次のように語る。
「去年は『契約解除になる』と言われ、相談にすら乗ってもらえませんでした。今年でさえ、本部としての対応は一切無し。 毎年、GWは売上が急減するため、利益確保、労働基準法順守のためにも時短の必要性を強く感じます」
このほか、多くのオーナーに共通するのが、釣り銭(貨幣・紙幣の不足)の悩みだった。連休中、銀行が開いていないためだ。
「自動釣り銭機になったので、釣り銭を切らすとレジが稼働しなくなるので本当に心配です」(北海道)
用意する釣り銭の金額は店によりけり。50万円のところもあれば、200万円というところもあった。いずれにしても、銀行などに数回通って用意するのだという。これだけでも大変だ。
こうした状況から、本部に対する恨み言も出ている。千葉県のオーナー(40代)は「普段から何も協力してくれない本部の経営相談員が、長期休暇を取っているのを見ると恨めしくなる」。
福島県のオーナー(50代)は「本部も釣銭や予備スタッフを準備するなどしてほしい」と訴えた。
(弁護士ドットコムニュース)