自転車競技で6度のオリンピック・ゴールドメダリストに輝く"Sir"クリス・ホイが、LMP2カーのドライブやフォーミュラEマシンのテスト経験に加えて、ラリークロスにも挑戦。WorldRX世界ラリークロス選手権第2戦のスペイン・ラウンドに、フォード・フィエスタRXスーパーカーでエントリーすることが決まった。
2016年にLMP2クラスでル・マン24時間にも参戦し、先のABBフォーミュラE選手権ローマE-PrixではGen2マシンをドライブした経験を持つイギリス人オリンピアンは、F1トラックのバルセロナでこの週末に開催されるWorldRX2019年シーズン第2戦にゲスト参戦し、イギリスチームであるXite Racingの所有するオルスバーグMSE製フォード・フィエスタRXスーパーカーのステアリングを握ることになった。
このXite Racingはイギリス・ラリークロス選手権でオリバー・ベネットとともに実績を残したのち、この2019年シーズンから晴れてWorldRXへのチャレンジを開始しており、ベネットは最新のミニ・クーパーSX1 RX スーパーカーを投入。週末はそのベネットをメンターとして初のラリークロス競技に挑むことになる。
「いきなりの世界選手権だけど、バルセロナでのイベントに参加できることを本当に楽しみにしているんだ」と、43歳のレジェンドアスリートであるホイ。
「ラリークロス車両をドライブすることは常に僕のバケットリストに載せられていた項目だった。でも実際にこうして世界選手権で最高レベルのドライバーと対峙することになれば、それは大いなる挑戦だと言わざるを得ないね」
ホイはすでに南ウェールズにあるペンブリーのトラックでテストドライブを敢行しており、600PSを超える4WDのモンスターマシンを初体験している。
「オリバー(ベネット)と彼のチームから教えを請い、可能な限り学ぼうと思っていたけれど、実際にはとんでもなく楽しかった(笑)。スペイン戦が待ちきれない気分だよ」
スコットランド出身のホイは2019年も国内のケーターハム420R選手権などにも参戦しており、常にモータースポーツに接する4輪フリークぶりを発揮している。
また、過去にも五輪メダリストがラリークロス競技に参加した歴史があり、4度の冬季オリンピック金メダリストのトップスキーヤー、グンデ・スヴァンは1990年代初頭にヨーロピアン・ラリークロス選手権に2シーズン挑戦。トップクラスであるディヴィジョン1のトヨタ・セリカをドライブしている。
この2年間で11度の表彰台を獲得したグンデは、フランスのファルイラ戦で自身初勝利を飾ると同時に、シリーズランキング3位の好成績を残している。
また、このWorldRX世界ラリークロス選手権第2戦のバルセロナ・ラウンドには、WRCドライバーとしてシュコダ・ファビアなどをドライブしたヤニ・パーソネンもゲスト参戦し、旧友マンフレッド・ストール率いるSTARDからのエントリーでフォード・フィエスタRXスーパーカーEVO4のステアリングを握ることとなっている。