2019年の鈴鹿8時間耐久ロードレースに18年ぶりにファクトリー(ワークス)体制で挑むカワサキ。Kawasaki Racing Teamから鈴鹿8耐に参戦するジョナサン・レイ、レオン・ハスラム、トプラク・ラズガットリオグルの3人がそれぞれ意気込みを語った。
スーパーバイク世界選手権で活躍するレイは、2015年からカワサキに加入したイギリス人ライダー。2015年~2018年にSBKチャンピオンに輝き、前人未到の4連覇を果たしている。鈴鹿8耐では、2012年に秋吉耕佑、岡田忠之とともに出場し優勝を飾った。
2018年はkawasaki Team GREENから鈴鹿8耐にハスラム、渡辺一馬とともに参戦。ヤマハとホンダのファクトリーチームと激しいバトルを繰り広げ、3位表彰台を獲得した。
「カワサキからまた8耐に出場するのをとってもうれしく思っている」とレイは鈴鹿8耐への意気込みを語る。
「8耐は、僕の心のなかで非常に大きな存在だ。チームグリーンで十分優勝が狙えた昨年の経験を生かし、今年は昨年以上の成績を狙っていく」
「我々は、昨年良いタイムを出しているが、一方でいくつかのミスもあった。これらのミスから学び、これまでにないくらいの準備をして挑むよ。8耐は世界でもっともタフで、もっともエキサイティングなレース。気温36度でレースする、ライダーとマシンにとって本当のテストだ。僕は挑戦が好きで、日本のファンのみんなと過ごすのが待ち遠しい」
■ハスラム「今年こそ表彰台の真ん中に立てる」
カワサキから4年連続で鈴鹿8耐に挑むハスラムは、『ロケット・ロン』の愛称で知られるロン・ハスラムを父に持つイギリス人ライダー。2019年はカワサキ・レーシング・チームに加入し、レイとともにSBKで戦っている。
「素晴らしいイベントである鈴鹿8耐にまたカワサキのライダーとして戻れることを嬉しく思う」とハスラムは鈴鹿8耐参戦の喜びを語り、次のようにコメント。
「過去、僕たちは良い結果を残したが、なかでも8時間のうち5時間半に渡って走ったレースは非常に思い出深いよ。昨年のレースではジョナサンとともに、小さな問題が起きるまではレースをリードしていたし、この数年、毎年表彰台に上がるなど、僕たちのパッケージは非常に良くなっている」
「強い気持ちでチャレンジし、良いテストを重ねることができれば、今年こそ表彰台の真ん中に立てると思う。今年の戦略をしっかりと見極めなくてはいけないが、ジョナサンとの相性も良く、チームに出したセットアップリクエストは彼とほとんど同じ。いまからレースが本当に楽しみだよ」
レイ、ハスラムとともにカワサキ・レーシング・チームに加入するラズガットリオグルは、22歳のトルコ人ライダーで、2018年シーズンからSBKに参戦。2018年の第6戦イギリス・ドニントンパークではレース2で2位表彰台に立つなどの活躍を見せた。ラズガットリオグルは、2018年11月に行われた全日本ロードレース選手権最終戦鈴鹿JSB1000クラスにスポット参戦したが、ART合同走行の2回目で転倒を喫し負傷しレースを欠場している。
2019年は昨年に引き続きSBKにカワサキZX-10RRを駆って参戦しており、現在ランキング11番手につけている。
「これは、まさに僕の夢のチーム! 僕はいつでも準備は出来ているから、本番が楽しみだ」とラズガットリオグル。
「8耐のファンではあったけれど、走るのは今回が初めてだ。ジョニー(ジョナサン・レイ)、レオンと同じチームになれるのは、とてもラッキー。今も信じられないよ」
「昨年一度だけ全日本ロードレースに出場したが、その時に、日本のチームクルーが『このマシンは8耐のマシンとほぼ同じで、違いはガソリンタンクのみ』だと教えてくれた。SBKとの大きな違いは、タイヤがブリヂストンだというところだ。素晴らしいマシンで8耐に出場できるのが夢のようだよ」
18年ぶりに復活するカワサキのファクトリーチームから鈴鹿8耐に挑むレイ、ハスラム、ラズガットリオグルが、1993年以来の優勝をカワサキにもたらすことができるか、楽しみなところだ。