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レッドブル・ホンダのマルコ博士、女性ドライバーのF1進出に疑問「残忍性は女性の持つ性分なのか」

2019年04月26日 17:21  AUTOSPORT web

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ラウジッツリンクで行われたWシリーズのテスト
5月より、女性のみで争われるフォーミュラカー選手権『Wシリーズ』が開幕する。だがレッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、女性ドライバーのF1進出について、疑問を持っているようだ。

 女性ドライバーがF1に出場することになると予想しているのかどうかと尋ねられたマルコは、オーストリアの『Kleine Zeitung』紙に対し、「フィジカル的な要求は非常に大きいし、おそらく女性にとってはあまりにも困難で、骨の折れることだろう」と語った。

「時速300kmで走り、ホイール・トゥ・ホイールのバトルが起きれば、残忍性もその一部だ。私には、それが女性の持つ性分なのかどうかわからない」

 現代ではパワーステアリングなどによる援助があるものの、マルコは、女性ドライバーが男性と公平に戦うにはフィジカル的に不利な部分があまりにも多すぎると主張している。

「いまやパワーブレーキもある。だがそれでもまだ多大な努力をしてそこに到達しなければならない」

「コックピット内の温度は40~50度にもなり、体の近くには熱いケーブルが張り巡らされている」

「我々は、シンガポールGPで倒れそうになったドライバーを見てきた。(女性ドライバーにとって)肉体的な負担はあまりにも大きいと思う」

「F1に適合しなければならない。それにとてつもないほどの肩の力が必要だ」

 またマルコは、オーストリアGPの舞台となるレッドブルリンクのターン3について、ここでは加速時に4Gの負荷がかかると言及。最後には、「なぜ我々はテニスの試合において、セレーナ・ウィリアムズ対ノバク・ジョコビッチの試合を見ないのだろうか?」と述べた。

 なおこれまでF1の決勝レースに出場した女性ドライバーは、1950年代に参戦した史上初の女性F1ドライバーであるマリア・テレーザ・デ・フィリッピス、1970年代にデビューしたレラ・ロンバルディの2名のみだ。

 その後もディビナ・ガリカ、デジレ・ウィルソン、ジョバンナ・アマティといった女性ドライバーらもF1にエントリーはしたものの、決勝レースを走ることは叶わなかった。

 近年では、2012年にスージー・ウォルフがウイリアムズで開発ドライバーを就任し、2015年にはテストドライバーとなった。またマリア・デ・ヴィロタがマルシャF1チームでテストドライバーに就任したが、テスト中の事故の影響で2013年に亡くなっている。

 2017年にはコロンビア人の女性ドライバー、タチアナ・カルデロンがザウバーと開発/テストドライバー契約を結んだ。カルデロンは現在もその役割を担いながら、今年はFIA-F2に参戦している。

 なおアメリカでは、サラ・フィッシャー、ダニカ・パトリック、キャサリン・レッグ、シモ─ナ・デ・シルベストロ、ピッパ・マンといったドライバーがインディカーやNASCARといったカテゴリーで戦っていた。

 だがマルコのコメントから判断するに、近い将来、Wシリーズに参戦するドライバーのなかからレッドブルのジュニアドライバー育成プログラムの候補が選ばれることは期待できないだろう。