4月25日に開幕した2019年のWRC世界ラリー選手権第5戦アルゼンチン。初日に行われたSS1では、TOYOTA GAZOO Racing WRTのオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が総合首位を獲得、総合3番手にはクリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)が入る好走をみせた。
南米大陸のアルゼンチンを舞台に争われるラリー・アルゼンティーナ。現地午前中には、ラリー開幕前最後の走行チャンスとなるシェイクダウンがサービスパークが設けられるビジャ・カルロス・パスから約11km離れた丘陵地帯で行われた。
グラベル(未舗装)主体イベントのラリー・アルゼンティーナだが、この日は前日から降り続いた雨の影響で、路面の一部はぬかるんだコンディションに。そんななか、タナクは最速タイムとなる2分34秒9を刻んでシェイクダウントップにつける。
その後、現地19時過ぎに行われたSS1は、ビジャ・カルロス・パスの市街地に設けられた特設ステージが舞台。全1.9kmのステージはグラベルとターマック(舗装路)が入り交じるミックスステージだ。
2018年のラリー・アルゼンティーナを制しているタナクは、雨の影響で滑りやすいコンディションとなったSS1でもペースを落とさず、総合2番手に1.6秒差をつけて総合首位につけている。
チームメイトのミークはシェイクダウンで2番手タイ、SS1ではタナクと1.7秒差の総合3番手と好調を維持したほか、ラトバラもシェイクダウン8番手、SS1で総合7番手とまずまずの立ち上がりをみせた。
チームのスポーティング・ディレクターを務めるカイ・リンドストロームは「今晩のスーパーSSで首位に立ったのは素晴らしいことだが、我々は明日からの戦いに集中している」とコメントしている。
「きっと、過去にないくらい荒れたラリー・アルゼンティーナになるだろう。数日間に渡り多くの雨が降ったため、ステージの路面は今朝のシェイクダウンと同じように非常に悪い状態だ」
「チームはそのような路面に合った正しいセットアップを見つけるべく努力し、ドライバーはクルマのフィーリングに満足しているよ。ステージのコンディションが悪くなるとクルマはダメージを受けやすくなるため、ドライバーはより注意深く戦わなければならない」
「これから天気は良くなり路面は乾いていくと思うが、少なくとも明日のステージはウエットコンディションになるだろうね。そして、1回目の走行後に路面がどれだけ変化するのか、注視したいと思う」
大会連覇に向けて好スタートを切ったタナクは「朝のシェイクダウンでクルマの状態は良く、最初の走行でトップタイムを出すことができた」と競技初日をふり返る。
「しかし、その後何回か走るうちに路面はどんどん崩れていき、あまり良い路面コンディションではなかったから、とにかくクルマを労って走ったよ」
「アルゼンチンはいつもタフなラリーだけど、今年は悪天候により、さらにスパイスが加わったと思う。数日間雨が降り続き、明日のステージは泥と水に覆われているはずだから、全選手にとって難しいスタートになるだろうね」
総合3番手につけたミークは「今週降り続いた雨により、今回はきっと難しいチャレンジになるだろう。天気はこれから良くなっていくと思うが、ステージの路面は非常に軟らかい状態で、明日は大きなチャレンジが我々を待っている」とコメント。
ラトバラは「シェイクダウンではセッティングの微調整を続けたが、最後の走行でとても良いフィーリングが得られ、荒れた路面に合ったセッティングを見つけられたと思う」と自信を示している。
競技2日目となる26日(金)はSS2~8までの7SSで争われる。午前中はサービスパーク南側にあるカラムチタ渓谷でSS2~4を走り、その後サービスパーク近郊のダートコースでSS5を走る。
SS5終了後はサービスパークでマシンの整備をおこなった後、ふたたびカラムチタ渓谷へ。ここでSS6~8の3SSが行われる。
全7SSの合計距離は145.92km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は656.61kmだ。