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廉価版Nintendo Switch、6月末までにリリースか? Switchの累計国内販売数はPS4を抜く

2019年04月26日 08:21  リアルサウンド

リアルサウンド

 Nintendo Switchの新モデルに関して、具体的なリリース時期に関する情報がリークされた。その情報が正しいとするならば、新モデルはもうすぐで見ることができるだろう。また、Switchの中国進出をめぐる任天堂の現状もわかってきた。


(参考:任天堂は「新ハード投入」と「中国市場進出」でStadiaに対抗する?


■スマホゲームもリリースか
 ブルームバーグは25日、Switch開発をはじめとした任天堂の現状に関するリーク情報を報じた。情報をリークした匿名の関係者によると、すでに噂となっている廉価版Switchは6月末までにはリリースされる、という。もっとも、同モデルに関しては携帯性を重視するという以外は、その仕様が明らかになっていない。また、Switch次世代機のリリース時期に関してはまったく不明だが、現行のSwitchに対して年内にアップデートが行われる、とも話した。


 匿名の関係者は、今年の夏ごろに任天堂が開発したスマホゲームがリリースされるとも述べた。この情報は、中国進出を目指している同社にとって追い風を呼び込むものだ。というのも、中国のゲーム市場はPCゲームとスマホゲームでシェアの9割以上が占められているからだ。ゲーム機文化が根づいていない中国においては、Switchのゲームよりも任天堂のスマホゲームのほうが、同国ゲーム市場のシェア獲得に短期的には寄与するものと思われる。


 任天堂の中国進出の進捗は、アジアのゲーム市場の分析に強い調査会社Niko PartnersのアナリストDaniel Ahmad氏によれば、Switchコンテンツの販売許可申請の承認を待っている状態、とのこと。同氏は、年内には中国でもSwitchが販売されると見ている。もっとも、中国でゲームコンテンツを販売する場合には同国当局が定める規制をクリアしなければならない。それゆえ、規制をクリアするためにコンテンツの内容に若干の変更が必要になった場合、承認されるまでに遅れが生じるだろう


■中国人ゲーマーは「ポケモンGO」がプレイしたい
 任天堂の中国進出に関しては、この件が報道された直後に任天堂の株価が上昇したことからわかるように、市場は好意的に受けとめている。ところで、この件の当事者である中国人のゲーマーはどのように思っているのだろうか。中国国内のテック系ニュースを世界に発信しているメディア『abacus』は24日、任天堂進出に対する中国人ゲーマーの思いをまとめた記事を公開した。その記事によれば、中国人ゲーマーはこの件に関して期待とともに不安も抱いているようだ。


 彼らが期待しているのは、今までプレイできなかった任天堂やSwitch関連のゲームをプレイできることだ。中国当局のゲーム規制に関する基準は詳らかではないが、同国ではいまだに『ポケモンGO』がプレイできない(リリースの告知はされている)。同国のゲーマーは、任天堂が同国に進出することに伴って『ポケモンGO』が解禁されることを期待しているようだ。そのほかには『スプラトゥーン2』をプレイできることを心待ちにしている。反対に『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』に関しては、似たようなゲームが同国でプレイできるのでそれほど期待されていないようだ。


 一方、同国のゲーマーが恐れているのは、中国当局によるゲームの改変だ。当局の検閲によってオリジナルのゲームとは異なるものに改変されてしまうと、プレイする喜びも損なわれてしまう。もっとも、検閲によってゲームが改変されたかどうかは、実際にリリースされてみなければわからないのが悩ましいところだ。


■PS4とNINTEDO64を抜く
 中国進出が予定されているSwitchは、日本国内の販売も堅調だ。国内ゲームメディア『ファミ通』が24日に公開した記事によると、Nintendo Switchはリリースから106週で累計販売台数が800万台を突破した(同ハードのリリース日は2017年3月3日)。800万台という数字はPS4のそれを抜き、PS4とPS4 Proを合わせた数字に匹敵するものだ。


 Switchの累計販売台数に関しては、イギリスのゲームメディア『VGChartz』が23日に世界累計台数を報じた。2019年4月第1週終了時での同ハードの世界累計売上台数は、3,315万台と推定されている。この数字は、かつての任天堂の主力ハードであったNINTENDO64の3,293万台を上回っている。


 Switchの累計販売台数を地域別に見ると北米が1,159万台、欧州が882万台、そして日本が786万台となる(集計時期と集計方法が異なるためファミ通が発表した数字とは異なる)。任天堂が進出しようとしている中国ゲーム市場の潜在的な規模は、上記3つの地域を合計したよりも大きいと考えられる。しかし、PS4とXbox Oneが中国市場の進出に苦戦していることからわかるように参入障壁は高いようなので、短期的には地域別販売台数の順位に大きな変動はないだろう。


 以上のような最近のSwitchに関するニュースをまとめると、同ハードの市場とブランド力は順調に成長していると言える。そんな同ハードが中国に進出することでさらに成長するかどうかを判断するには、しばしの時間が必要だろう。


(吉本幸記)