全長6.003km、20カ所のコーナーを備えるアゼルバイジャンGのコースは、まるで3種類のサーキットがひとつに収まっているかのようだ。それがルノーF1のシャシー担当テクニカルディレクターを務めるニック・チェスターの、バクーへの評価だ。
「バクーは良いレイアウトのサーキットだ。状況を非常に面白くさせる」とチェスターは語る。
「まるで3つのコースがひとつにまとまったかのようだ。最初のセクションは何カ所かの右コーナーとストレートがあってソチのようだし、中盤のセクションはモナコのようで、最後のセクションはロングストレートのあるカナダのようだ」
「上手く走るのが難しい組み合わせになっていて、理想を言えば、各セクターを異なるダウンフォースレベルで走りたい」
「ここでのダウンフォースレベルについては、常に妥協しなければならない点がある。いかなるミスも手痛い結果に繋がるし、他の多くの市街地コースと違ってバクーはとても高速だ。ドライバーは困難だと感じているだろうが、エキサイティングなコースであることは確かだ」
大きなドラッグなしに十分なダウンフォースを得るために、チームには大抵のコース以上に効率的な空力パッケージが必要となる。そしてドライバーは、ブレーキングやタイトで低速なコーナーにおいて上手く立ち回らなければならない。
「ほとんどのチームはこれまでのレースで使ったものよりも、ダウンフォースの少ないリヤウイングで走行するだろう」とチェスター。
「中盤のセクションと最終セクションの間のタイムにおいては、様々なレベルで妥協することがある。R.S.19の主な変更点は、新フロントウイングとリヤウイングによる中ダウンフォースパッケージで、サイドポッドの部分にも小さなアップデートが施される」
今シーズン、ルノーの両ドライバーが揃ってトップ10圏内入りを果たしたレースはない。
「ニコ・ヒュルケンベルグとダニエル・リカルドはトップドライバーだ」とチェスターは話す。
「現時点でマシンには、中団グループのトップに加わるための十分なペースがある。そのことを次の数戦で示したい」
「上海でのダニエルは、バランスとマシンに施した変更が、ブレーキングとサスペンションの部分で助けになったと言って満足していた。中国では一歩前進することができたが、まだやるべき作業が多く残っている」